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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2017/11/30
- 抄訳記事公開日:
- 2018/01/26
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高等研究機関に対する連邦政府研究開発費が5年ぶりに増加
- 本文:
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11月30日付けの国立科学財団(NSF)による標記記事の概要は以下の通りである。
NSF内の国立科学技術統計センター(NCSES)の高等教育研究開発(HERD)調査のデータによると、高等教育機関に対する連邦政府研究開発費は、5年間で初めて、インフレ調整の有無にかかわらず増加した。インフレ調整を行うと、2015年度から2016年度にかけて、連邦政府研究開発費は1.4%増加したことになる。
2016年度の大学の全研究開発費は720億ドルであり、2015年度の686億ドルから4.8%の増加となった。このうち、2016年度に連邦政府からの研究開発費は、2.5%増加して388億ドルに達した。 しかし、この連邦政府からの研究開発費の全研究開発費に対するシェアは低下を続けており、 2011年度以降、62.5%から54.0%に減少している。
大学に対する連邦政府の研究開発費の提供機関のうち、米国航空宇宙局(NASA)、農務省(DOA)、国防総省(DOD)、エネルギー省(DOE)、保健福祉省(HHS)の支出は2015年度に比べて約2%から8%増加したが、NSFからの支出は横ばいだった。 そして、その他の連邦機関からの支出は、2016年度に約5%減少している。
大学の自己研究開発費は増加し続けており、2015年度から2016年度にかけて8.2%増加し、約180億ドルに達した。この増加の大部分は、大学運営費により賄われており、企業等からの受託研究プロジェクト経費は、2013年度から約14億ドルで概ね安定している。
研究分野別に高等教育機関における研究開発費を見てみると、健康科学(224億ドル)、生物科学・生物医学(130億ドル)、工学(114億ドル)の3つの分野に集中している。対前年比の増加率では、非科学工学分野が最大であり、14.9%増の41億ドルとなった。
研究開発費の規模の観点から年ごとの大学の構成を見てみると、その構成は著しく安定している。 2015年度と比して2016年度の研究開発費支出上位30機関では1機関の変更があっただけで、アブダビ・キャンパス等での研究開発費が増加したニューヨーク大学が2016年度に新たに23位に入った。
本報告での会計年度は、2016年度は2015年7月1日から2016年6月30日である。また調査対象の高等教育機関は、2016年度に学士号以上を授与するか、少なくとも15万ドルを研究開発費に支出した902の大学とカレッジである。本データはhttps://www.nsf.gov/statistics/ffrdc/で入手できる。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]