[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
- 元記事公開日:
- 2017/12/05
- 抄訳記事公開日:
- 2018/01/31
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衛星顕微鏡:物理学基礎の実験探査におけるさらなる前進
- 本文:
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2017年12月5日付の高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。
物理学は非常に異なる2つの自然の柱に依拠している。重力と大規模宇宙の挙動を記述した「一般相対性理論」と多様な素粒子と重力以外の基本的相互作用について述べている「場の量子論」の2つである。
この2つの理論的構成を統一する試みにあたり、慣性質量と重力質量との間の等価原理違反によって出現する可能性のある新たな相互作用の存在が予告されている。
ガリレオにまで遡る上記等価原理は16世紀以降、ますます精巧になっていく地上での測定により測定の精度を絶えず上げるという結果になっている。衛星顕微鏡は、地上で行われた最良の測定値に対して、1〜2桁の精度で劇的に勝る測定を可能とするための、重要な一歩を踏み出すことを可能にしている。最初の1年間の運用で蓄積されたデータのわずかな部分(約10%)で、衛星顕微鏡は既に等価原理の妥当性の限界を一桁程度伸ばすことを可能にした。
昨年の欧州宇宙機関(ESA)の“Planck”衛星による宇宙論パラメータを比類のない精度で測定した成果の発表、そしてLIGO-VIRGO間協力による重力波の直接立証に続き、衛星顕微鏡の最初の成果発表は、基礎物理学が現在経験しつつある輝かしい時期に新しい成果をもたらすものである。
基礎物理学の遠大なプロジェクトは現在、地上および宇宙における研究に対峙しているが、その目的には例えば暗黒物質や暗黒エネルギーについての理解がある。衛星顕微鏡は、宇宙が単なる観測の場ではなく、先端物理学にとっての実験室でもあることを示している。
[DW編集局+JSTパリ事務所]