[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国日報
元記事公開日:
2017/12/20
抄訳記事公開日:
2018/02/01

中国海洋石油総公司(CNOOC)研究総院に、メタンハイドレート研究分野の国家重点実験室を設立

中国设立可燃冰国家重点实验室 中海油研究总院承建

本文:

2017年12月20日付の中国日報は、「中国海洋石油総公司(CNOOC)研究総院に、メタンハイドレート研究分野の国家重点実験室を設立」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

12月19日、科学技術部は中国海洋石油総公司(CNOOC)研究総院に、メタンハイドレート(可燃氷、methane hydrate)研究分野の国家重点実験室を設立することを批准した。

企業国家重点実験室は国家イノベーション体系における重要な構成部分で、その主なミッションは戦略的新興産業と産業発展全体のニーズに対する企業の自主イノベーション能力と核心的競争力を向上することとされている。また、基礎研究、出口に向けた基礎研究及び基盤技術の研究開発を展開し、国際標準、国家と業界標準を研究・制定し、優秀な人材を招致・育成し、率先して産業技術発展を牽引することとされている。

メタンハイドレートは「燃える氷」とも呼ばれ、水分子と天然ガスの主成分であるメタンが低温かつ高圧の条件下で結合して氷状になった結晶物質で、燃焼値が高い、汚染が少ない、埋蔵量が多い等の特徴がある。各国から未来の石油、天然ガスの戦略性の代替エネルギーであると見なされている。

メタンハイドレートの鉱化の原理と物理的性質、化学的性質によってメタンハイドレートの採掘は世界的難題である。メタンハイドレートが低温・高圧の条件で形成されるので、いったん圧力損失或いは温度が高くなる時にガスに変わり、体積が急に160倍以上増大する。メタンハイドレートの核心の難点物質は形態変化のコントロール、地質等の二次災害の防止等である。

今年5月10日、中国、南中国海で始めてメタンハイドレート(可燃氷)の試験採掘を行い、作業は7月9日に終了した。60日間の作業を持続し、採掘量は合計30万立方メートルを超えた。作業の生産持続時間が最長、生産量も最多、気流定常、安全な環境等の複数の重大なブレークスルーを遂げ、生産時間と生産量の世界記録を作り出した。メタンハイドレートの採掘に成功したのは国内及び世界で初めてで、資源量が世界の90%を占め、採掘難度が最大の泥質岩・泥土岩の安全でコントロール可能なメタンハイドレートの採掘を実現した。

6月2日、中国地質調査局の副局長、メタンハイドレートの試験採掘協調リーダーグループの副組長である李金発氏は記者会見で、「国内のメタンハイドレート資源の潜在力は巨大である。初歩的な予測によると、国内海域のメタンハイドレートの資源量は約800億トンの石油量に相当する」と表明した。

9月22日、 中国の新世代遠洋総合科学観測船である「科学号」が中国科学院の海洋先導科学技術プロジェクトを実行中に、南中国海海域の水深約1100メートルの位置で、天然ガスハイドレートが存在する2ヶ所の場所を探測した。これも科学者が南中国海海域で初めて海底にむき出しになった「メタンハイドレート」を発見した。

[JST北京事務所]