[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/12/18
抄訳記事公開日:
2018/02/07

疾病対策センター(CDC)で禁止された文言の報告に関するNAS、NAE、NAMの3アカデミー会長による声明

Statement by NAS, NAE, and NAM Presidents on Report of Banned Words at CDC

本文:

2017年12月18日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記発表の概要は以下のとおりである。

疾病管理予防センター(CDC)の職員が予算文書で特定の文言を使用しないように指示されていたとの報告を受けて深い懸念を抱いている。報告によれば「証拠に基づく」や「科学に基づく」という用語が禁止された用語中にあることに、全米科学・工学・医学アカデミーの各会長として衝撃を受けている。政策決定者への助言や公開の場での講演が証拠に基づいて行われることは、150年以上も前にアブラハム・リンカーンが科学アカデミーを創設して以来、全米アカデミーによる助言の基盤となっている。証拠に基づく助言こそが20世紀を通じて米国の繁栄、健全性、国家安全保障を牽引してきたのであり、それは今日も継続している。

「証拠に基づく」や「科学に基づく」という用語が検閲の対象になることが事実だとすれば、それは米国の研究者に委縮効果をもたらす。

他に禁止されたと思われる用語「多様性」、「資格(権利)」、「胎児」、「トランス・ジェンダー」、「脆弱」も、CDCの研究ポートフォリオにとって同じく重要で、これらを禁止することは今日の現実に背を向けることになる。

このような指令は前例がなく、全ての連邦省庁が受け入れている科学的公正性の精神に反するものである。予算文書に特定の用語を使用しないようにとのCDC職員に対するガイドラインであっても、CDCの広範な研究や公衆衛生の任務が過度に政治的に利用される可能性がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]