[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科技網
元記事公開日:
2018/01/10
抄訳記事公開日:
2018/02/23

2018年、中国は科学技術分野において10の事業を重点的に推進する(要点まとめ)

2018年全国科技工作着力推进十项重点任务

本文:

全国科学技術事業会議は1月9日に北京で開催された。科技日報は、「党『18大』(2012年)以来の科学技術イノベーション事業を取りまとめ、当面のイノベーション創出情勢を勘案した上、今後の科学技術イノベーションへの新しいニーズを明確にし、2018年度科学技術改革・推進等の具体な取り組みを手配した」と、伝えた。要点を以下にまとめる。

科学技術部長万鋼氏は活動報告において、「18大」以来の5年間に行われた科学技術事業を以下のよう評価した。
①習近平総書記の新時代の中国特色ある社会主義科学技術革新思想を形成し、科学技術イノベーションの戦略的地位を飛躍的に上げた
②中国は科学技術イノベーション能力で世界第1陣営に突入し、そして「追跡する」、「平行して進む」と「リードする」の発展3段階が併存し、かつ後2段階の分野が拡大しつつあり歴史的な新段階に進んだ
③科学技術イノベーションが供給側構造改革を有力的にサポートし、経済・社会の発展を全面的にカバー・牽引することへの飛躍を成し遂げた
④科学技術体制改革が系統的に深化し、科学技術管理が「研究開発を管理する」ことから「イノベーションに奉仕する」ことへのシフトを実現した
⑤イノベーション従事者の層は研究者中心から全社会へ広がり、大衆による創業・万衆によるイノベーションの歴史的新局面を切り開いた
⑥科学技術外交は国の全体外交の重要な一環に発展した

また、イノベーションの創出において、世界の先頭を占めた以下の主な指標も紹介された。
・R&D経費について、2017年は1.76兆元に達し、2012年より70.9%増えると見通される。R&D経費の対GDP比が2.15%、EU15ヶ国の平均値2.1%を上回る。
・科学技術論文では、国際論文の総量が2012年より70%増え、世界第2位となる。国際論文の被引用数が初めて独、英を超えて世界2位を占める。特許(発明特許)の出願数とラインセンス数が共に世界1位になり、有効な特許保有数が世界第3位。
・産業界の動向として、ハイテク型企業は13.6万社を超え、これら企業から支出されたR&D費が全国の50%以上を占める。特許ライセンス数は全国の4割を占める。そして、全国の技術取引総額は制約ベースで1.3兆元に達した。
・科学技術進歩の経済社会発展への寄与率が2012年の52.2%から57.5%に上がった。そして、国家イノベーション創出能力が世界ランキングで2012年の20位から2017年の17位へ向上した。

同会議では、中国2018年度の重点な科学技術事業について、以下10の事業を掲げた。
・重大なイノベーションに新しい進展を成し遂げ、供給側構造改革の強力な後押しをする。
・科学技術強国に向けた基礎研究を強化し、イノベーションの源頭支援を拡充する。
・技術型企業の創業と成果移転を統合に推進し、大衆による起業・万衆によるイノベーションのレベルアップを図る。
・農村部振興戦略に向けた科学技術のアクションを実施し、精確な貧困対策へ支援する。
・民生技術を精力に開発し、汚染防止対策等の戦略事業の後押しをする。
・地域イノベーション成長の極を形成し、地域の協調的発展を牽引する。
・イノベーションの開放・協力を強化し、世界範囲のイノベーションネットワークの構築へ積極的に取り組む。
・人材の成長環境を改善し、イノベーション型のハイレベルな人材を育成する。
・科学技術体制改革を統一で計画的に実施し、改革原動力の活力を発揮する。
・政策的環境の最適化を持続的に進め、イノベーションに資する文化的雰囲気を造る。

この他、同会議で、科学技術部の党組が作成した「習近平の新時代における中国の特色ある社会主義指導を指針とし、科学技術事業の新しい局面を切り開くための意見」も公布され、上述した重点事業の実施に当たって、科学技術事業は党の全面的指導を受ける、「3つの志向」(世界科学最先端志向、経済主戦場志向、国家重大需要志向)を科学技術イノベーションの主要な方向とする、科学技術体制改革の深化によってイノベーション・創業の活力を刺激する等、8つの要求を提出した。

[DW編集局]