[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2017/11/23
抄訳記事公開日:
2018/02/26

rescEU:自然災害に対処するための欧州の新システム

rescEU: a new European system to tackle natural disasters

本文:

報道センターの2017年11月23日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2017年11月23日、欧州委員会は、欧州の自然災害への対処能力を強化するための意欲的な新計画を発表した。

これは、ユンケル委員長の「守る欧州(Europe that protects)」アジェンダを構成する中核的な要素である。このイニシアティブは、近年頻繁に発生し、数々の欧州諸国に深刻な影響を及ぼしている複雑な自然災害を受けて提案されたものである。森林火災のための空中消火用航空機や特別な送水ポンプ、市街地における捜索救難チーム、野外病院、救急医療チームといった市民保護能力を欧州レベルで備えるrescEUの創設は、この提案の重要な部分である。これらは各国の資産を補う役割を果たし、欧州委員会の管理下で、洪水や森林火災、地震、疫病などの災害に見舞われた国を支援する。2017年だけでも、欧州では200人を超える人々が自然災害で亡くなっており、100万ヘクタールを超える森林が破壊されている。

委員会の提案では、以下(i)欧州レベルでの共同対応の強化、および(ii)防災準備能力の向上をそれぞれ目的とした相補的な2種類の措置が講じられる。

1) 欧州の対応能力の強化:rescEU
各国レベルでの能力では災害に対処できない場合に加盟国を支援できるよう、市民を保護するための欧州市民保護対応資産を確保しておく。rescEUには、各国の能力を補えるような空中消火用航空機や送水ポンプ装置などの資産も含まれる。rescEUのすべての費用および能力は、EUの資金で全面的に対応する。また欧州委員会はこれらの資産の運用管理を行ない、これらの配備を決定する。

2) 防災準備体制の強化
提案では、防災準備を目的とした現行のEUの政策との連携および整合が強化されている。これには、例えばEU気候変動適応戦略(EU Strategy on Adaptation to Climate Change)、欧州構造投資基金(European Structural and Investment Funds)、団結基金(Solidarity Fund)、環境規則(治水計画および生態系をベースにした解決策など)、研究およびイノベーション、深刻かつ国際的な健康への脅威に対処するための政策などが含まれる。

[JSTパリ事務所]