[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ヘルムホルツ協会(HGF)
元記事公開日:
2018/01/15
抄訳記事公開日:
2018/03/02

加齢による疾病に関する新プロジェクト

Neues Forschungsprojekt zu altersbedingten Erkrankungen

本文:

ドイツがん研究センターとミュンヘン・ヘルムホルツ・センターは今後3年間AMPro.(Aging and Metabolic Programming)プロジェクトで連携していく。これに関してドイツがん研究センターは概略下記のような報道発表を行った。

世界的に寿命が延びていることから、加齢に伴う病気、たとえは糖尿病、がん、心臓病、呼吸障害、神経変性等の疾患や慢性的感染症が患者、医師、保健システム、社会にとって大きな課題となりつつある。

ドイツ研究センターヘルムホルツ協会はこの重要課題に対して、2017年11月からAMProプロジェクトによって対応している。

PMProのコーディネーションはドイツがん研究センターのがん・新陳代謝シグナル伝達部のテレマン氏およびミュンヘン・ヘルムホルツ・センター糖尿病がん研究所のヘルツィッヒ氏が担当する。同協会の健康研究領域の各センターに所属する研究者が活動に取り組み、今後3年間で合計600万ユーロの支援を受ける。その内150万ユーロはドイツがんセンターに充てられる。

AMProコンソーシアムは新陳代謝に良い影響を与えるための、新しい予防法や治療法を見出したいとしている。これは加齢による疾病に対する革新的かつ一貫した処置を可能にするものである。この場合加齢プロセスの新陳代謝の次のような主要観点を調査することになる。
・遺伝的および非遺伝的なレベルでのメタボリック・プログラミングの出生前・出生後のメカニズム
・器官と組織のコミュニケーションのメカニズム
・組織と細胞の修復メカニズム

長期的な目標は高齢化社会における健康の向上である。コーディネータのテレマン氏は「AMProによって個人の健康および生活の質の改善ために多くを達成することができ、中期的には社会経済的な負担を軽減できると確信している」と述べた。

背景:
加齢プロセスに伴い進行する疾病に対する関心の高まりは、共通なものであり、基本的な分子メカニズムを示唆しているが、これまでのところ殆ど理解されてこなかった。加齢プロセスは新陳代謝のコントロールや各種器官のコミュニケーションの進行性変化、組織の機能を維持、修復する能力によって特徴づけることができる。高齢化による様々な障害は、挙動、遺伝的体質、環境影響等の複雑な相互作用に起因する。

[DW編集局]