[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2018/01/23
抄訳記事公開日:
2018/03/06

国立衛生研究所(NIH)がゲノム編集研究プログラムを立ち上げ

NIH to launch genome editing research program

本文:

1月23日付け、米国立衛生研究所(NIH)による標記記事の概要は次のとおりである。

米国立衛生研究所(NIH)は患者治療のためのゲノム編集技術の導入を遅らせている障害を取り除くべく、プログラムを立ち上げた。体細胞ゲノム編集と呼ばれるこのプログラムでは、予算が許す限り、今後6年間で約1億9千万ドルを研究者に支援する予定。この支援により、研究者は、患者への標的遺伝子編集ツールの導入メカニズムの改良や、新しいゲノム編集技術の開発を行う。さらに、動物およびヒトの細胞に用いるゲノム編集ツールの安全性・有効性の評価方法の開発を行い、これらの研究結果から得られる知識、方法、ツールを集大成してゲノム編集ツールキットを作製し、科学界全体で共有することを目指す。プログラムはNIHのコモン・ファンド(非常にインパクトが高く、NIH全体に関係するプログラムを支援するファンド;NIH長官室の下の戦略調整室により、NIHのすべての機関、センター、室を巻き込んで、運営される)から支援される。

多くの希少・難治性疾患や、一般の障害の中には、ヒトのDNAの変化により引き起こされるものがある。親からの遺伝によるものやそうでないものもある。過去10年間のゲノム編集技術の向上により、今や、生き物のDNAコードを精密に変えることが出来る。この分野には関心も高く、投資もなされているが、臨床に広く使われるには解決すべき諸問題が多いのが現状である。

体細胞は再生不可能細胞であり、体細胞のDNAは次世代に受け継がれない。したがって、ゲノム編集治療によりもたらされる体細胞のDNAの変化は遺伝することはない。

このプログラムの公募は1ヵ月以内に開始される予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]