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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ヘルムホルツ協会(HGF)
- 元記事公開日:
- 2018/02/12
- 抄訳記事公開日:
- 2018/03/08
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ヴィースラー会長(HGF)がCDU, CSU,SPDによる連立協定を歓迎
- 本文:
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ヘルムホルツ協会ドイツ研究センターのヴィースラー会長は、2月にキリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、社会民主党(SPD)が合意した連立協定に対し歓迎の意を表明した。これに関してヘルムホルツ協会は概略下記のような報道発表を行った。
ドイツを科学・研究の拠点として強化していくことについて、CDU,CSUおよびSPDの代表が合意した連立協定文書に明記したことをヴィースラー会長は歓迎すると同時に、新政府は今後この協定を一貫して実現しなければならない、と述べた。
同会長は「3党は連立協定の多くの章において、ドイツをイノベーション拠点とするために重要な方向づけをしている。この勇気ある協定をベースに新政府は科学研究をダイナミックに推進し、ドイツの繁栄のための土台を築くことができる」と語った。
また連立協定はイノベーション拠点ドイツのための真のスタートを約束しているとし、「2025年までにGDPの合計3,5%を研究開発のために投入するという目標は、国際比較においても強力なシグナルである。アカデミアは、気候変動、エネルギー転換、未来のモビリティ、がんやは認知症等の重大な国民病への対応等、重要な未来テーマに立ち向かうことができる。沿岸、極地、および海洋の研究を一層強化し、海外諸国と共同で「ドイツ海洋研究アライアンス」を設立することは、この大きな重要性を持つ研究領域にとっても強力なシグナルである。こうした歓迎すべき決断は外国からより多くの先端研究者や若手研究者を拠点ドイツに引き寄せることに大きく寄与する」と語った。
「連立協定で重要な役割を担うのがデジタル化というテーマである。この点に関しては、ハイテク戦略の展開から、光ネットワークの全国的拡大、そして基幹技術の強力な推進に至るまで重要な決定がなされた。データ社会への対応、その処理およびさらなる研究は、医学分野をはじめ、あらゆる社会的領域においてますます重要な役割を果たしている」。
同会長は更に「データセキュリティもドイツの将来の基幹的要素である。AI、ロボティクス、量子技術等の領域についても、集中的に研究を進めて、国際競争において他国と対等に競争し、現在あるギャップを埋めていかなければならない」と語った。
州立大学への連邦政府による資金負担の継続について、非常に歓迎すべきものとし、「高度の研究の実施だけでなく、後継科学者の養成も、ドイツの将来に対する最重要投資の一つである」と語り、大学と大学外研究機関との協力は拡充されるべきものであり、女性がもっと指導的地位を占めるよう推進することは、ヘルムホルツ協会も全面的に支援する重要な計画である、としている。
連立協定文書は将来性のある、統一された、革新的なヨーロッパのために重要である。欧州研究圏の目標は注目すべきものであり、欧州の科学を強化するポテンシャルを持っていると述べている。同会長は「将来の研究基本計画は少なくとも現行の“Horizon 2020“と同様の規模の予算額とし、また英国のEU離脱に直面している中で、欧州研究評議会の強化も、欧州の統一、強化にとっての重要な取り組みである」と強調している。また統一研究圏構築のためにも、東欧、南欧の諸国がより強く組み込まれることが重要である、としている。
同会長は、3党がマクロン フランス大統領の提案を受け入れたことを非常に喜ばしいとしている。教育および研究における独仏協力の更なる強化は欧州研究圏全体に新しいダイナミズムをもたらすものであり、実に望ましいことである、述べている。重要なことは、連立協定の目標を可及的すみやかに具体化することである、と語り、「協定では、実行に向けての具体的な提案がなされなければならない」としている。
[DW編集局]