[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/01/31
抄訳記事公開日:
2018/03/16

感情認識システムのデモ・バージョン開発

Wenn Roboter Gefühle erkennen

本文:

ドイツ人工知能I研究センター(DFKI)が、感情認識システムの一例となるデモ・バージョンを開発し、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

面接で神経質にならない人はいるだろうか。こうした状況についてトレーニングするためDFKIの研究者は新たなバーチャル・トレーナーを開発した。アバターがリアルタイムで面接を受ける人の社会的、感情的シグナルを認識、さらに解釈し、面接時の対話をシミュレートするなどして、振る舞いを適切なものとする。これによって主観的、状況的な挙動をより適切に練習することができる。DFKIのデモ・バーションはロボットの感情認識システムの一つの例で、BMBFの助成によるものである。このシステムは現在ボンで展示されている。

シュッテBMBF事務次官は「機械が人間の日常的な雑事を引き受けることを望んでいる。技術は我々に余裕をもたらし、負荷を軽減し、支援してくれるべきものである。ロボットが人間の感情を認識し、正しく解釈できるならば、それがどのように機能するのかを知るのは興味深い」と語った。人間と技術とのやり取りには繊細な情報の交換が必要であることが多い。「データの安全な取り扱いは、あらゆる研究開発において中心的テーマである。しかし全ての技術的問題には倫理的、法律的、社会的な問題が密接にリンクしている。開発をリードし、具体化するのは人間でなければならない」。

感情認識の背景にある技術としては、マイクおよびカメラ画像など従来型のセンサーが利用される。音声、言語、顔の表情、視線やポーズといった他のファクターを利用して、ユーザーの感情的状況を認識する。こうした技術の応用可能性は生活のさまざまな分野に及び、例えばスピーチ・トレーニング、自動車同士のコミュニケーション、保健・介護、さらには航空管制官の仕事にまで及ぶ。

“KonsensOP“と題するプロジェクトでは、フラウンホーファー・オプトロニクス・システム技術・画像処理研究所(FhG ISOB)で手術室内での非接触制御によるデータ・コミュニケーションが開発された。医師は、一つのジェスチャーあるいは目の動きによって患者の治療に重要な情報を得ることができる。手術チーム全体がこれらの情報を見ることができ、最適な行動オプションを容易に選択できる。

BMBFのMACeLotプロジェクトで、ケムニッツ工科大学を中心に開発されたシステムは、航空管制官の労働負荷を計測し、シミュレーション・モデルによって困難な状況になる前に、考えられる過剰負荷を予想することができる。

BMBFは合計14プロジェクトを約2,200万ユーロで助成した。これらは重点助成プログラム「技術的工具からインターアクティヴ・ガイドまで ― 最適化された人・技術インターアクションのためのソーシャル・センシティブ、エモーション・センシティブなシステム(InterEmotio)」の一環であり、新ハイテク戦略の一部でもある。将来のチャンス、研究計画、更には将来の雇用が生み出される。14の合同プロジェクトからの研究者75名がボンに集まり、ネットワーク化会合において活動の成果について意見交換した。

[DW編集局]