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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2017/12/20
- 抄訳記事公開日:
- 2018/03/20
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2017年、中国の一部の科学研究は「世界の先頭」に立って、注目を集める
- 本文:
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2017年12月20日付の「中国科学報」ネット版は、「2017年、中国の一部の科学研究は『世界の先頭』に立って、注目を集める」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
光量子コンピューターの試作機が誕生、高速鉄道列車「復興号」が時速350キロでの営業運転を開始、国産大型旅客機C919の初飛行、中国の「天眼」FASTは短期間で多くのパルサーを発見・・・2017年を振り返ると、中国の科学研究イノベーション業績は世界の注目を集め、新時代の革新のメロディーを奏でている。
1月18日、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」は、ユーザーとなる事業者に引き渡された。6月16日、中国人科学者は世界で始めて1,000キロ級の衛星・地球双方向量子もつれ配送を実現し、その後、「墨子号」衛星・地球間の量子テレポーテーション(Quantum teleportation)の実験成果を発表した。8月11日、「墨子号」は世界で始めて衛星から地面に向けた高速量子鍵配送に成功し、最も安全・機密のグローバル量子通信ネットワークの構築に信頼できる基礎を打ち立てる。
3月10日、中国人科学者は化学物質を利用し、サッカロミセス酵母染色体4本を人工設計し、人類による「生命の再構築」を更に一歩進め、中国が米国に次ぐ真核生物ゲノム設計と構築能力を備える国家となった。
4月22日12時23分、地上から393キロの宇宙軌道に、無人補給船「天舟一号」が宇宙実験室「天宮二号」との自動ドッキングが無事に完了した。2016年9月15日に「天宮二号」を打ち上げてから予定した軌道に入って以来、初めて無人補給船「天舟一号」とのドッキングが実現した。初めて無人補給船が宇宙実験室に物資を補給し、「宇宙の家(太空之家)」に停泊した。
5月3日、初期の古典的コンピューターを超える世界初の光量子コンピューターが上海で誕生した。そのスピードは一体どれほど速いのか。古典的なコンピューターを自転車とすると、量子コンピューターはまるで飛行機のようなものだ。
5月5日、国産大型旅客機C919は初飛行に成功した。これは中国で初めて、国際的水準を持つ幹線で使用される旅客機である。
5月18日、中国は南海北部神狐海域においてメタンハイドレート(「燃える氷」とも呼ばれる)の試掘に成功し、「中国は海域でメタンハイドレートの試掘において連続して安定的に気体を取り出すことに世界で初めて成功した国家となった」。11月3日、メタンハイドレートは正式に認定され、中国で173種目の鉱種となった。
6月26日、高速鉄道車両「復興号」は北京・上海高速鉄道両端の北京南駅と上海虹橋駅で双方向の正式運行を始めた。中国は標準の動車組(中国が独自に開発し、自主知的財産権を有する「中国規格高速車両」)時代を迎えた。9月21日、高速鉄道車両「復興号」が時速350キロで北京上海の間を疾走し、日本の新幹線、フランスのTGVを抜き、高速商業運営速度で世界一の国家となった。
10月10日、中国科学院国家天文台は、「中国の『天眼』と呼ばれる口径500メートル球面電波望遠鏡(FAST)は複数の新しいパルサーの発見を確認」と公表した。これも中国の天文望遠鏡が初めてパルサーを発見したことになる。
10月16日、科学者による国際チームは「中性子星が放出した重力波を、初めて観測することに成功した」を発表した。世界で4台だけのX線とガンマ線望遠鏡は発生した重力波を検出した。6月15日に打ち上げた中国の「慧眼」天文望遠鏡衛星を含む。
11月13日、第50回世界のスーパーコンピューターの性能ランキング(TOP500)が発表され、中国のスパコン「神威・太湖の光(Sunway TaihuLight)」と「天河二号」(Tianhe-2)は4年連続で世界第一位〜第二位にランクされ、スパコンの総計算能力で中国が米国を抜いて世界一位となった。
北京時間11月30日、暗黒物質粒子探査衛星「悟空」が宇宙電子線の異常な変動を測定したことが、世界的に権威ある学術誌「ネイチャー」のウェブサイトに発表された。この神秘的な信号は初めて人類によって観測され、中国人科学者は独創的な発見をしたことを意味する。中国科学院の白春礼院長は、「今後の研究でその暗黒物質との関連性が証明されれば、現代科学における大いなる意義を持つ科学成果となる。暗黒物質との関連性がなかったとしても、現有の科学理論へのブレークスルーをもたらす可能性がある」と語った。
[DW編集局]