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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2018/01/18
- 抄訳記事公開日:
- 2018/03/23
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中国の急伸はあるが依然として米国が科学工学研究をリード
State of US science enterprise report shows US leads in S&E as China rapidly advances
- 本文:
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1月18日付けの国立科学財団(NSF)による標記記事の概要は以下の通りである。
NSFの科学工学指標2018によると、米国は引き続き科学技術における世界的リーダーであるが、その世界シェアは、他の国々、特に中国の拡大により、減少している。
研究開発費は、科学技術能力の向上を図り、イノベーションを推進するという国のコミットメントを反映している。米国の研究開発費は4,960億ドル(世界全体のシェア26%)で世界をリードしているが、中国が4,080億ドル(21%)で続いている。中国は2000年以来、研究開発投資を急速に拡大しており、年平均18%の伸びとなっている。その焦点は、基礎、応用研究ではなく、主に開発に向けられている。同期間に、米国の研究開発費の伸びはわずか4%にとどまっている。
新興テクノロジーの商業化を支えるベンチャーキャピタル投資は、2016年に世界全体で1300億ドル以上に達した。米国は700億ドルの投資を集め、世界シェアの半分以上を占めているが、他方で中国は、2013年の約30億ドルから2016年の340億ドルへと増加し、世界シェアの5%から27%に上昇している。
知識・技術集約型産業は、世界経済の主要な部分であり、世界のGDPの3分の1を占めている。米国はビジネス、金融、情報サービスを提供し、世界シェアの31%を占め、続いてEUが21%、中国が17%(年率19%の成長)を占めている。米国は、航空機、半導体、コンピュータ、医薬品、計測機器等のハイテク製造業で世界シェアの31%を占めているが、ここでも中国が24%で続き、過去10年間でシェアを倍増させている。
高等教育は、益々拡大する知識集約型の世界経済において必要な高度なスキルを提供している。米国は4万人に科学工学分野の博士号を授与しているが、これに中国(3万4,000人)、ロシア(1万9,000人)、ドイツ(1万5,000人)、イギリス(1万4,000人)、インド1万3,000人)が続いている。対照的に学士号では、インドが全世界の25%の750万以上を授与し、これに中国(22%)、EU(12%)、米国(10%)が続いている。中国で授与された全学位のほぼ半分が科学工学分野であり、 2000年以来、科学工学分野の学士号の数は4倍になっている。
ビジネス分野は米国の研究開発投資の最大シェアを占めており、2015年の総計4,950億ドルの投資額うちの72%を占めている。米国の企業の研究開発は、応用研究で総計970億ドルの58%、および開発で総計3,140億ドルの88%を占めている。他方、高等教育機関は、米国の基礎研究の最大のシェアを占めている(米国総計830億ドルの49%)。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]