[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2018/02/08
抄訳記事公開日:
2018/03/30

NSFによるハラスメントに関する重要通知

Harassment-Important Notice to Presidents of Universities and Colleges and Heads of Other National Science Foundation Grantee Organizations

本文:

2月8日付けの国立科学財団(NSF)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NSFは、NSF内部およびその支援を受けた研究・教育が行われるあらゆる場所における、セクシャルハラスメントおよびいかなるハラスメントも許容しない。2,000におよぶNSFの支援を受ける大学等の機関は、告発に対し十分な調査を行うとともに、連邦の差別禁止法を遵守する責任を負う。

基礎科学と工学における研究に政府資金の配分を行うNSFは、科学者とエンジニアのための安全で生産的な研究・教育環境の整備を強化する。NSFの助成を受ける研究代表者(PI)および研究分担者 (co-PI)は信頼のおける人々であるべきであり、所属機関外で行われる研究・教育活動(フィールドワーク、大型研究施設、学会、ワークショップ等)においてもすべての助成研究者に責任ある行動が要求される。

NSFは安全な研究環境に対する取り組みを強化するために、次の措置を実行する。

①助成金 (award)授与の新要件
NSFは助成金授与の新しい要件を設け、助成機関に対し、研究代表者、研究分担者または他の助成研究者に関するセクシャルハラスメント、またはその他のハラスメントを発見した場合には、すみやかにNSFに報告するよう要求する。またこの新しい要件では、研究代表者、研究分担者にハラスメントが見つかったりその究明調査が行われたりしているために、これら研究者が研究資金管理者の立場から退いている場合、その旨を助成機関がNSFに報告することを求める。さらに、NSFはすべての助成研究者保護のために、助成の一時停止や終了、助成機関に人員の交代や排除を求める等の措置をとり得る。NSFは、今後数週間の間にこの新しい要件に対する意見を募る。

②ハラスメントフリーな研究オフィス
NSFは、すべての助成機関に対して、ハラスメントのない職場を確保するための明白かつ明確な行動基準を確立し、維持することを期待している。そのような基準は、違反を報告するためのアクセス可能で明白な手段を伴っていなくてはならない。また、助成対象組織は、申し立てのタイムリーな調査や是正措置を含むデューデリジェンスを行うべきである。

③Webリソースの強化
NSFの多様性統括室(ODI: Office of Diversity and Inclusion)は、NSFが資金を配分するプログラムやプロジェクトに差別がないことを確保する任務を負っている。ODIは最近、セクシャルおよびその他のハラスメントに関する方針や手順、手本となる事例、よくある質問をまとめた専用のWebポータルを開設した。これは研究コミュニティと一般市民が情報によりアクセスし易くなるようにするためである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]