[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/02/27
抄訳記事公開日:
2018/04/03

希少疾病研究の新たな助成策

Waisenkinder der Medizin

本文:

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は希少疾病に関する研究を強化することとなり、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

英語で“orphan diseases”、「医学の孤児たち」と呼ばれる希少疾病に罹る人の数は、一国あたりわずかに数百人あるいは以下である。その結果、原因、症状、治療方法に関する知識は少なく、新しい診断技術あるいは医薬品への投資に関する経済的関心も低い。しかし、希少疾病患者にとって疾病の基礎研究および治療方法に関する研究は非常に重要である。

BMBFは新たな助成策により、希少疾病研究の取り組み強化を図っている。このため今後5年間に2,100万ユーロが投入される。希少疾病に関する応用指向型の基礎研究、臨床研究、看護研究は学際的な協力によって行われ、患者およびその家族の状況を効果的に改善する新しい診断方法や革新的な治療法の創出が期待されている。

国際希少疾病難治性疾患の日は希少疾病患者の不安に気づかせてくれるものである。2018年2月28日にBMBFはウルムにおいて希少疾病研究の強化に向けた明確なサインを発信する。ウルムの科学者たちはこの数年の間に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、FTD(前頭側頭型認知症)、ハンティントン病の基本的メカニズムを発見した。ウルムは、BMBFが助成する6つのドイツ保健研究センターの一つである、ドイツ神経変性疾病センター(DZNE)の拠点となっている。ラッヘルBMBF政務次官は、「特にALSに関する研究は新たなDZNE拠点の出現によって大きな推進力を得る」と強調した。移行期間終了後BMBFは2021年からバーデン・ヴュルテンベルク州と共同でDNZEのウルム拠点を年額300万ユーロで助成する。

BMBFは2003年から希少疾病の原因を研究し、新しい治療法を開発するネットワークを助成してきた。この研究のためこれまで1億700万ユーロが投入された。既に助成対象となった研究アライアンスは希少疾病を広範囲に亘ってカバーしており、免疫疾患から発達障害さらには神経系あるいは腎臓等の疾患にまで及ぶ。科学者たちは疾病の原因となる多数の遺伝子を確認し、病歴に関する新しい知見を得ている。

[DW編集局]