[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2017/11/27
抄訳記事公開日:
2018/04/06

建築環境およびスマートエネルギー技術のイノベーションに対する政府投資

Innovations in the built environment

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は2017年11月8日付および2017年11月27日付の2回にわたり標記に関する発表を行っている。両発表を合わせた概要は以下のとおり。

●建築環境におけるイノベーション

政府全体で建築環境の研究・イノベーションに約1億8,400万ポンドの投資を予定している。この取り組みの一環としてBEISのエネルギー・イノベーション・プログラムにおいては、英国の家庭および企業向けの低炭素暖房・エネルギー効率化オプションに約9,000万ポンドを投資予定である。投資対象は次のとおりである。

・低炭素暖房技術イノベーションに対する投資
政府は、英国の建物への熱や熱水の供給に伴って排出される炭素排出を削減するための技術開発に最高1,000万ポンドを投資する助成制度を立ち上げた。革新的な技術、プロセス、ツールが支援の対象で、20万ポンド~200万ポンドの助成金に応募が可能である。

・建物の熱効率イノベーションに対する投資
政府は、英国の既存の建物のエネルギー効率を向上させる技術や方法の開発に最高1,000万ポンドを投資する助成制度を立ち上げた。革新的な技術、プロセス、ビジネスモデルが支援の対象で、20万ポンド~200万ポンドの助成金に応募が可能である。

・暖房向けの水素イノベーションに対する投資
BEISでは、2,500万ポンドを投資して、英国の家庭や企業の暖房用に水素ガスの利用可能性を探究するプロジェクトに着手する。コンペティションの後にBEISは、本プロジェクトを遂行するために、Ove Arupが率いる委託先チームであるArup+を指名した。

・スマート暖房システムに対する投資
BEISは、エネルギー・システム・カタパルトが実行する「スマート・システム・熱プログラム」の第2フェーズに980万ポンドを投資する。このフェーズは、消費者、暖房システム、エネルギー供給業者間の関係に変革をもたらす「ホーム・エネルギー・サービス・ゲートウェイ」の開発など、第1フェーズの作業を基盤にして構築される。

●スマート・エネルギーに対する取り組み

政府全体で、スマート・システムの研究・開発・実証試験に約2億6,500万ポンドを投資する予定である。この取り組みの一環としてBEISのエネルギー・イノベーション・プログラムにおいては、スマート・エネルギー・システム・イノベーションのテーマに対して最高7,000万ポンドを投資予定である。主なファンディング対象は次のとおりである。

・非国内のスマート・エネルギー管理に対するファンディング
政府は、比較的小規模の非国内サイトのニーズに合わせて、スマート・メーター・データを活用した革新的なエネルギー管理方式の開発に最高880万ポンドを投資する計画である。

・国内のデマンド・サイド・レスポンスの革新的実証試験に対するファンディング
政府は、デマンド・サイド・レスポンス(DSR)技術およびビジネス・モデルの国内での革新的応用を支援するべく、2018年~2021年の間に最高775万ポンドを投資する。この助成コンペティションでは、最大30件のフィジビリティスタディ(第1フェーズ)および国内環境での10件の実証試験プロジェクト(第2フェーズ)を支援する。

・革新的な電気自動車のV2Gプロジェクトに対するファンディング
2017年7月に政府は、将来の電気自動車によるV2G(自動車から電力網への電力の融通)製品、サービス、知識を展開する革新的プロジェクトに対して最高2,000万ポンドを約束した。

・エネルギー蓄積コストの削減とフィジビリティスタディに対するファンディング
政府は、エネルギー蓄積技術のコスト削減に利用可能な、最高900万ポンドのコンペティションを実施した。

[DW編集局]