[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2018/03/27
抄訳記事公開日:
2018/05/18

博士号に対する認識向上と博士号取得者の活用促進策

Favoriser la reconnaissance du doctorat et l'insertion des docteurs

本文:

3月27日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

● 現状

・博士号改革
2016年5月25日付政令では、博士課程教育内容のさらなる構造化、補完教育の取り込み、博士課程大学院・博士論文指導者・博士課程学生間の関係の明確化を図ることで、博士課程教育の要件の刷新を行っている。このような規制改革は博士号の質的確保および有効活用にとって不可欠であった。

・博士号取得者に対する公職の解放
政府機関において博士号取得者をより重要視する。すでに61機関がこの措置の適用対象になっている。

● 今後の施策

・ハイレベルな研究コース
当初のボローニャプロセスの精神では、博士号は研究大学院(EUR)の枠組みに関わる使命を帯びている。EURでは大学、グランゼコール、研究機関間の有機的な関係を築くことで、修士論文のレベルでもハイレベルの研究コースを構築することが可能になる。EURプロジェクトの第2次公募が今夏開始される。

博士課程大学院やEURには、将来の博士号取得者に、特にアカデミアの外での就職に不可欠な技術とソフトスキルを教授する使命がある。

・民間セクターにとってカギとなる博士号
博士号取得者は全ての職業領域にも存在して然るべきである。2010年から2015年の間に、民間で仕事をする博士号取得者の割合は23%から37%に増えた、その半数以上が民間研究に従事している。この伸びは重要であるが、さらなる増進が必要である。

・産業研究教育協約(CIFRE)
研究担当省の資金支援で創設されたCIFREは、企業における博士課程院生の受け入れを支援するものである。公的研究所と社会・経済界との間の交流を促進して、企業における博士号取得者の雇用に資する狙いがある。

CIFRE制度は広く受け入れられており、1981年以降9,000社の企業、4,000以上の研究所、2万5,400名の博士課程院生が研究プロジェクトに参画している。CIFREによる博士号取得者の3分の2が企業に採用されている。

2018年は1,450件のCIFREが資金支援を受けるが、これは2017年より博士論文数で50件多い。

● 全国職業資格総覧(RNCP)への博士号の登録

政府はRNCPへの博士号の登録手続きを加速し、2018年夏までには完了することを期待している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]