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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 首相官邸
- 元記事公開日:
- 2018/01/09
- 抄訳記事公開日:
- 2018/06/05
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2018年1月の内閣改造に伴う大臣級の任命人事
- 本文:
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首相官邸の2018年1月9日付標記発表では、内閣改造に伴いテリーザ・メイ(Theresa May)首相が改めて任命した大臣級の一覧が示されている。
その中でビジネス・エネルギー・産業戦略(BEIS)大臣はグレッグ・クラーク(Greg Clark)氏が続投するが、教育大臣はジャスティン・グリーニング(Justine Greening)氏に代わって新たにダミアン・ヒンズ(Damian Hinds)氏が任命された。
またこれまでBEISにおける大学・科学・研究・イノベーション担当大臣を務めてきたジョー・ジョンソン(Jo Johnson)氏に代わって、新たにサム・ギマー(Sam Gyimah)氏が任命され、ジョンソン氏同様、教育省の高等教育担当大臣を兼務する。ギマー新大臣の所管事項は次のとおりである。
BEISに関する事項:
・産業戦略
・科学・研究
・イノベーション
・知的財産権
・アグリテック(agri-tech)
・宇宙
・技術教育省に関する事項:
・大学・高等教育改革
・高等教育学生への融資(学生貸付会社等)
・高等教育における参加と社会的流動性の拡大
・教育輸出(学生の国際化、研究の国際化)
・18歳以降の教育と予算の見直し
・高等教育における過激思想との取り組み●ギマー大学・科学・研究・イノベーション担当大臣の略歴
・2010年 East Surrey 選出の保守党下院議員・学歴
オックスフォードのサマーヴィル・カレッジで哲学、政治学、経済学を学ぶ。・政治歴
-2016年7月~2018年1月、司法省政務次官
-2015年5月~2016年7月、教育省政務次官
-2014年7月~2015年3月、内閣府政務官
-2013年10月~2014年7月、与党内院内幹事
-2012年~2013年、デービッド・キャメロン首相の政務秘書官
-2011年~2012年、国際開発特別委員会委員
-2010年~2012年、選挙管理委員会演説者委員会委員・政治以外の経歴
ゴールドマン・サックス社に5年間勤務後、研修、リクルート、インターネットの分野で多数の中小企業の立ち上げや展開の支援を手掛けた。●英国研究・イノベーション機構(UKRI)・インフラのロードマップの立ち上げ等:ギマー大学・科学・研究・イノベーション担当大臣の講演から
(https://www.gov.uk/government/speeches/ukri-research-and-innovation-infrastructure-roadmap-launch)ギマー新大臣は2018年1月22日、王立協会で講演した。講演録の中から主要な発言内容を抜粋要約して以下に記す。
・研究・イノベーションのインフラロードマップの立ち上げ
今回立ち上げるインフラロードマップは、UKRIが実現できる優先施策の好例で、英国が世界的規模で期待し必要としているイニシアチブである。優れた科学と効果的なイノベーションは、単に頭脳集団やファンディングだけに依存するのではなく、適切なインフラに依存する。線形加速器やデータセンターから研究所・気象庁のスーパー・コンピュータに至るまで大型の物理的キットを必要とするものもあれば、慎重に収集された時系列データ集合やカタパルト・センターのような組織などネットワークやノウハウに関わるものもある。ロードマップは英国の研究・イノベーションのインフラの現状を概観するもので、このマッピングを今後の投資の優先順位付けに活用する。・産業戦略チャレンジ基金(ISCF)による課題の支援
研究開発への投資の一環として、産業戦略チャレンジ基金(ISCF)の「革新的な医療・医薬の促進」チャレンジを通じた7,000万ポンドの割当を発表する。政府・産業界の双方によるこの投資を通じて、患者による新薬の利用が迅速になり、高齢化社会に向けた治療の改善が図られる。また患者の回復に役立つ新規の仮想現実プロジェクトにも支援が行われる。これによりバーミンガム、ニューキャッスル、マンチェスターの全英3か所に新たに先進治療処置センターが開設される。ISCFの第2波に関するさらなる詳細が間もなく発表される。この新規ファンディングでは次の課題が支援対象となる。
-エネルギー革命による成長
-建設・食料生産の変革
-データを活用しての疾病の早期診断の向上
-健やかに高齢化する社会を支援する技術やサービスの展開
-次世代サービスにおける先駆的技術および量子技術ISCFの第3波では関心表明公募を実施することで、使命重視型イノベーションに引き続き対応する。
・楽観主義の推奨と計画策定の限界
未来を構想(shape)するには計画が必要で、その計画を実行するには能力(戦略・組織等)が必要である。しかし一般的に厳格すぎる計画は現実に直面すると生き残れない。優れた計画は動的であって絶対的ではなく、可能性や変化の余地を許容するものである。同じことが政府の研究・イノベーション構想にも言える。イノベーションを促進するには、投資を増やして課題を設定するだけでは十分でない。イノベータや楽天主義者が目標達成に必要とする自由を提供する必要がある。ビジネスの世界では新規参入や既存の企業と競争できる環境の創出を意味する。つまり規制機関やそれらの機関が定める規則が最新の技術に対応し、物事を進めるための新しい方法に対応することを確保する必要がある。 [DW編集局]