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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
- 元記事公開日:
- 2018/01/22
- 抄訳記事公開日:
- 2018/06/11
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産業戦略による英国医療業界振興策、新規治療法開発支援に7,000万ポンドのファンディング
- 本文:
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ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の2018年1月22日付標記報道発表の概要は以下のとおり。
2018年1月22日サム・ギマー(Sam Gyimah)大学・科学・研究・イノベーション担当大臣は、新薬開発の加速化に支援を目的とした製造拠点の新設に対する7,000万ポンドのファンディングを発表した。
この投資はより強い経済とより公正な社会を通して将来にふさわしい国を建設するという政府の取り組みの一環を成すものである。リハビリ支援のためのバーチャル・リアリティ(仮想現実)の活用、脳卒中・脳障害患者のためのデジタル言語治療法への投資など、革新的な新規治療法を創出する。ハイテク医療研究への政府投資は、見返りとして雇用の振興、国民医療サービス(NHS)の強化、健康でない人への適切な治療をもたらす。
さらにギマー大臣は同日、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の研究・イノベーション・インフラ・ロードマップ・プログラムの開始を発表している。英国の研究・イノベーション・インフラの網羅的なマップを作成し、英国の能力を一覧できるようにするのと同時に、インフラのあらゆる隙間を特定して、その領域を強化し対処できるようにする。UKRIが実施する最初の大きな事業であるインフラ・ロードマップは2019年に終了する予定で、次の事項に取り組む。
・大型研究施設と主要設備
・収集、保存、科学データ
・データシステム・計算システムなどのe-インフラ
・通信ネットワークまたギマー大臣は研究・イノベーション・インフラ・ロードマップに関連して、科学技術施設会議(STFC)の議長(executive chair)にマーク・トムソン(Mark Thomson)教授が選任された旨発表した。同教授はケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所を本拠とする実験素粒子物理学の教授である。同教授は4月からこのポストに就任し、研究・イノベーション・インフラ・ロードマップの実行を主導する。
● 医療課題への投資
産業戦略チャレンジ基金(ISCF)により政府は、(最先端医療およびデジタル医療技術カタリストを通じて)先進の治療法、医薬、ワクチンの開発・製造の領域に4年間で1億8,100万ポンドを投資する。これと併せて産業界からの民間ファンディングが2億5,000万ポンド見込まれている。この資金により英国経済への10億ポンドの価値の見返りが期待され、高価値・高度技術の製造業を支援し、生産性を向上させる。
このファンディングの約5,000万ポンドは、適切な薬剤や治療が患者に確実に届くようにするため、医薬品の製造促進に充てられている。ISCFの最先端医療課題に対するファンディングの割り当ては次のとおり。
・先進治療処置センターに2,100万ポンド
・医薬品製造共同研究・開発第1次コンペティションに1,500万ポンド
・デジタル医療カタリスト(第1次)に800万ポンド
・細胞・遺伝子治療用のウィルス・ベクター生産に560万ポンド
・デジタル医療技術カタリスト(第2次)に800万ポンド
・医薬製造チャレンジ(第2次)に1,000万ポンド [DW編集局]