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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 捜狐(SOHU)ウェブサイト
- 元記事公開日:
- 2018/07/01
- 抄訳記事公開日:
- 2018/07/23
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中国科学院(CAS)、管理・サービスの移管(放管服)に関して10項目の改革を実行する
- 本文:
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2018年7月1日付の捜狐ウェブサイトは、「中国科学院(CAS)、管理・サービスの移管(放管服)に関して10項目の改革を実行する」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
中国科学院の総会にて、2018年の両院院士大会の議論の内容を実施すべく、中国科学院では科学技術研究プロジェクト管理、資産・財務管理、人材計画管理などの3つの方面にて、10項目の具体的な改革を実行することが述べられた。
良好なイノベーション・エコシステムの環境を構築すべく、中国科学院傘下の100以上の研究所を卓越イノベーションセンター、イノベーション研究院、ビックサイエンス研究センター、特色研究所などの4つの分類に分類している。各研究所に管理権限、機能などを移管することで、各研究所の自治を高めるような形にしてきた。特に、日々の科学技術研究活動への干渉を減らしてきた。ここ数年で、組織体制、研究所の分類、本部と各研究所による統治構造、科学技術研究・管理の自主権の保証などの改革を進め、科学研究員の大幅な軽減負担と科学研究員によるイノベーションを激励してきた。
今回の主な改革事項は以下の通りである。
・科学研究プロジェクトの管理を最適化すべく、財務管理の権限を各研究所に移管する。
・中国科学院が有する全財源の7割を研究所に分配し、安定的な基礎研究経費に関するパイロット・スタディを試みる。
・人事制度において、各研究所に職場管理の権限を委譲し、試用期間や長期雇用の制度を導入する。
・科学技術の評価において、重大な成果を導くための評価体系を導入するとともに、人材の分類評価を実施する。
・戦略性先導性科技プロジェクトの管理の申請プロセスにおいて、院長事務局のレビュー審査を2回から1回に簡素化し、プロジェクトの立ち上げ期間を短縮する。
・戦略性先導性科技プロジェクトの審査において、プロジェクト予算の編成作業を簡素化し、コンプライアンスを踏まえた会計の実施に注力する。
・財務検査を最適化すべく、年度末の財務監査と財務検査の作業をまとめる。戦略性先導性科技プロジェクトでは合理的な準備期間を6 ヶ月増やすようにする。
・影響力の大きい重大な研究成果に関するプロジェクトに選定された場合には、プロジェクト立ち上げの事前評価について免除する。また、中間評価を免除する代わりに、自己評価報告書を提出する。
・800万元(約1.3億円)以下の資産使用・処置権を各研究所に委譲し、各研究所の法人単位で審査・決定し、中国科学院本部に報告する。
・財務管理の情報化を強化し、財務経理プロセスのネットワーク・自動化を促進することで、研究者らによる精算サービスをより早くする。
・百人計画の管理について、科学技術人材領域の項目を整理すべく、百人計画プロジェクトのA、B、Cの分類を廃止する。人材導入の特定の状況に基づいて、支援の差別化を図る。
・雇用者らにより計画している重点分野などの具体的なニーズに応えるべく、人材の採用を独立的に行い、採用部門の自主権を強化する。科学研究の現場における、これまでの負担となってきた管理業務を軽減し、研究人員が雑用などに束縛されないようにしていくことで、科学研究に注力してもらうと同時に、内部管理制度のさなる強化と充実を図り、監査機能を強化することで、各研究所への管理権限の移譲を確保していく。
[JST北京事務所]