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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2018/08/08
- 抄訳記事公開日:
- 2018/09/07
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「リサーチ・キャンパス」プログラムの大きな成果:多耐性菌を発見
- 本文:
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連邦教育研究省(BMBF)は産学連携プログラム「リサーチ・キャンパス」の大きな成果をトピックスの形で、概略下記のように発表した。
抗生物質はかつてバクテリアに対する奇跡の薬であった。しかし抗生物質に耐性を持つ細菌が次第に増えてきた。特殊な酵素によって、大腸菌の中には特定の抗生物質の効力をなくしてしまうものが出てきた。いわゆるバクテリアの中の耐性遺伝子を発見することが新しい抗生物質治療の必須条件となっている。リサーチ・キャンパスに採択されたイエナの“InfectoGnostics“で2016年に開発された分子検査“CarbDetectAS-2“がこれを可能にしている。迅速、安価であり、98.8%の信頼性で特定感染症病原菌の耐性遺伝子を特定できることをパキスタンにおける臨床研究で研究者がこれを証明することができた。これによって抗生物質耐性菌の世界的な問題を阻止することに大きく貢献している。リサーチ・キャンパスは2013年からBMBFによって助成されているプログラム。
テストの正確度は98.8%
分子検査は意図的にパキスタンにおいて行われた。そこでは多耐性菌株が広く蔓延しており、医療的な需要が特に大きいからである。パキスタン北東部のラワルピンディ腎臓センターで、425のサンプルに対してテストが行われた。結果は、精度98.8%で、菌株のどんな遺伝子そしてどんな耐性菌が存在しているか、あるいは存在していなかったを特定することができた。リサーチ・キャンパスからの初の市場製品
CarbDetectAS-2の検査キットは既に2016年にリサーチ・キャンパスから生まれた初の製品として市場にもたらされた。InfectoGnosticsのエーリヒト理事はこの製品を大きなステップであると評価し、「この耐性菌分子検査はBMBFの協力がなければ、この形態、速度で開発されることは不可能であったろう」と語り、「これは耐性菌の世界的な蔓延を阻止するために重要な貢献をするものであると確信する」としている。「リサーチ・キャンパス」プログラム
BMBFは新たなタイプの研究協力助成イニシアチブ「リサーチ・キャンパス - イノベーションのための公的・私的パートナーシップ」を2013年に開始した。リサーチ・キャンパスは、参加大学、企業、その他のパートナー機関による拘束力をもった連携パートナーシップ、双方の利益のための知的財産権の取り扱い規定、「一つ屋根の下」における協力、並びに長期的な研究とイノベーション戦略を特徴とするものである。空間的近接および密なる連携によって、将来的な応用が既に研究計画のコンセプトの段階で考慮されている。これは研究成果の新製品、新しいプロセスやサービス等への有効な転換を容易にすると期待されている。 [DW編集局]