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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/09/06
抄訳記事公開日:
2018/10/15

二つの新たなドイツ保健研究センターがスタート

Startschuss für zwei neue Deutsche Zentren der Gesundheitsforschung

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はメンタルヘルスならびに青少年の保健に関する研究を強化することとし、新たに二つの保健研究センターを設けることを発表。これに関して概略下記のような報道発表を行った。

青少年の保健とメンタルヘルス研究の二つの領域には緊急に行動が必要である。少なくともドイツの全青少年の15%が慢性的な身体的あるいは精神的な疾患を抱えている。行動障害、アレルギー糖尿病などである。その後の生活において、うつ病または不安障害等の精神的疾患の罹患率は約40%に上る。

カルリチェク大臣は、「青少年はもとより、精神的疾患を有する人々を効果的に支援することが重要である。これら領域における研究を整備し、予防、診断、治療、そして看護を改善している」と語り、「研究成果は患者のために迅速に利用されるべきである。保健研究センターに優秀な研究者を結束させ、研究者により良い環境を用意し、常に患者を第一に考え、研究成果を患者の治療のためにより迅速に利用することができる」と続けた。

現有の医学的知識は、これまでのところ成人を対象とすることが多く、青少年への転用は簡単ではない。治療は特に成人に向けられ、彼らの身体的および精神的な状況やその変化に注目している。青少年の健康については様々な分野の専門家たちが取り組んでいる。ドイツ青少年保健センターは上記に取り組む専門のセクションを設置し、そこで働く研究者達をより効率的にネットワーク化していく。若者が健康な生活スタイルを意識し、それに応じて生活環境を形成していくためのコンセプトを開発することも同センターの課題の一つである。

精神疾患で治療を必要としている人の数はここ数年増加している。患者と家族にとって大きな負担であるが、現在の治療は薬剤投与とカウンセリングのような非薬剤投与方式を基本としている。科学の支援によって、こうした治療方法はさらに改善されるべきであり、未だ原因が分かっていない疾病のメカニズム解明へと拡大していくことも重要である。もう一つのドイツ・メンタルヘルス・センターでは、様々な研究領域から現存する知識を絶えず統合して、研究を進めることを目指している。

この両新設センターは既に存在する6つのドイツ保健研究センター(ドイツ神経変性疾病センター、ドイツ糖尿病研究センター、ドイツ心臓循環器系研究センター、ドイツ感染症研究センター、ドイツ肺研究センター、ドイツ・トランスレーショナル・キャンサー・リサーチ・コンソーシアム)をモデルとして、設計されている。新センターのパートナー機関は、競争原理に基づく、科学的な方式によって今後決定され、研究開始は2019年初頭を予定している。

[DW編集局]