[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/09/18
抄訳記事公開日:
2018/10/26

連邦政府が第7次エネルギー研究計画「エネルギー転換のためのイノベーション」を決定

„Innovationen für die Energiewende“: Bundesregierung beschließt 7. Energieforschungsprogramm

本文:

ドイツ連邦政府が第7次エネルギー研究計画を決定し、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

連邦政府はこれまでのエネルギー研究の成果を継承するかたちで、第7次エネルギー研究計画「エネルギー転換のためのイノベーション」を決定した。戦略的エネルギー政策の一環として、新たな計画ではエネルギー転換を実現するために、政策を総合的に支援するアプローチを取ることにより、現在のそして新たに出現する重要課題に対処しようとしている。同計画は産業界、アカデミア、州政府等との広範な協議プロセスの結果生まれたものである。

アルトマイヤー連邦経済エネルギー(BMWi)大臣は、「エネルギー転換はドイツ経済にとって野心的な近代化プロジェクトである。第7次エネルギー研究計画によって世界的な先駆者としての役割を引き続き強化して行く。2022年までに研究およびイノベーションへの支出を更に45%増加させ、中でもBMWiは35億ユーロ強を投資する。分野横断的課題に焦点を当てて、未来テーマに取り組んで行く。デジタル化とセクター協力がさらなるエネルギー転換の成功への鍵となる。新しいイノベーションによって、電力だけでなく、重要な熱エネルギーについても進歩を遂げ、気候変動への対処に資することを期待している。環境に優しいエネルギー技術の “Made in Germany“ は世界的に求められており、またそうでなければならない」と語った。

カルリチェクBMBF大臣は、「エネルギー研究はエネルギー転換を可能にする。応用指向の基礎研究によってのみ、必要なイノベーションを生み出すことができる。水素生産、熱変換およびモビリティの転換、社会的な参加も含む。その結果、手頃で環境に優しいエネルギーシステムへの飛躍的イノベーションを可能とすることができる。BMBFはドイツのエネルギー研究全体のために高度なインフラストラクチャーに投資している」と述べた。

クロックナー連邦農業大臣は、「再生可能エネルギーの中でも、量的に最も重要なものとしてバイオエネルギーに特に注目している。バイオエネルギーはエネルギー転換および温室効果ガス削減に著しく貢献する。再生可能エネルギーが農林業にとって重要な軸足となってきている。それゆえ、植物燃料振興計画の枠の中でバイオエネルギー研究に年間約5,000万ユーロを投入している。温室効果ガス排出削減およびエネルギー効率改善の研究計画はその中でも主要な重点となっている」と語った。

今後数年間におけるエネルギー研究政策の枠組をなす4つの基本方針:
1. 革新的ソリューションの実用化のために「エネルギー転換の“Living Lab”」を通じた技術およびイノベーションのトランスファーを新たな焦点とする。同時にダイナミックな実践的技術移転をスタートアップ促進より強化する。
2. エネルギー転換、デジタル化およびセクター協力における分野横断的問題を新たに抽出する。
3. プロジェクトファンディングと機関助成を連携しネットワークを改善する。
4. より密接な欧州内および国際的な協力をする。

エネルギー効率や再生可能エネルギーといった中心的研究領域と並び、第7次エネルギー研究計画では、社会的課題を含む熱利用、交通等の各産業セクターにおけるデジタル化、セクター協力、エネルギー転換という新しい側面に焦点をあてている。これらの分野横断的な研究テーマにより、システム全体の転換を研究助成の焦点としている。

現在の財政計画では、第7次エネルギー研究計画におけるエネルギー研究を2018年から2022年までの期間に約64億ユーロで助成することを予定している。これは2013年から2017年までの前計画に比べて約45%の増加となる。

[DW編集局]