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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2018/08/07
- 抄訳記事公開日:
- 2018/10/30
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NSFが初の実用的な量子コンピュータの実現に取り組む
NSF launches effort to create first practical quantum computer
- 本文:
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8月7日付の国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
暗号解読から航空機の設計まで、今日の最高のコンピュータをもってしても解けない複雑な問題が幅広い分野に存在している。
NSFは、現在は解くことができない研究上の問題にいつの日か答えることを可能とする実用的な量子コンピュータの開発を加速するために、多機関による「特製ソフトウェアによる量子コンピュータ・アーキテクチャ共同設計プロジェクト」(STAQ)に対し5年間で1,500万ドルを授与することとした。
「量子コンピュータは、我々が用いる技術とその用い方について全てを変えるだろう。我々はその目標の達成に向け、まだ最初の一歩を踏み出そうとしているところである。」とNSFのフランス・コルドバ長官は述べた。「最初の実用的な量子コンピュータの開発は重要なマイルストーンである。実用的な量子コンピュータへの大まかな道筋を示した専門家たちを集め、開発を支援することにより、NSFは量子力学の革命(quantum revolution)を理論から現実に変えようと努めている。」
今日の量子コンピュータは大体が概念実証であり、いくつかの原理の実現可能性を実証するものである。研究者による量子システムを管理したり構築したりする能力が向上するのに伴って量子コンピュータの複雑さは増大したが、答えが未知の計算問題を解くには至っていない。
このプロジェクトにおける実用的な量子コンピュータを開発するための統合的なアプローチは、最適化と科学的な計算課題に基づく新しいアルゴリズムを見出すこと、量子コンピュータのハードウェアを改善すること、および、開発する特定のマシーンのためにアルゴリズムのパフォーマンスを最適化するソフトウェア・ツールの開発に依存している。
STAQは、与えられた研究上の挑戦に対する創造的で協働的な提案を生み出すことを目指して、幅広い分野の研究者の間で一週間におよぶ自由な形態の意見交換を行うNSFアイデア・ラボの一つから生まれたものである。今回のNSFアイデア・ラボは実用的で完全接続型の量子コンピュータ・チャレンジに焦点を当てたものであった。STAQにはデューク大学、MIT、タフツ大学、カリフォルニア大学バークレイ校、シカゴ大学、メリーランド大学およびニューメキシコ大学の物理学者、コンピュータ科学者、技術者が参加する予定である。
STAQは次の4つの主要な目標に焦点を当てる。
・困難な計算を解くために十分に多くの数の量子ビットを含む量子コンピュータを開発すること
・物理学の基本的な問題を解くために不可欠な条件である、全ての量子ビットがシステムの他の全ての量子ビットと相互作用することを確保すること
・ソフトウェア、アルゴリズム、デバイスおよびシステム・エンジニアリングを統合すること
・実験家、理論家、技術者およびコンピュータ科学者からの等しいインプットを含むこと「最初の真に効果的な量子コンピュータは、単一の研究分野で活動する一人の研究者からは生まれてこないだろう。」と、NSFのフレミング・クリムCOOは述べた。「量子コンピューティングは、幅広い分野から専門家が参画し、その各々の専門家が科学とエンジニアリングにおける最も困難な問題のいくつかを解決するために相互に補完的な視点を提供することを必要としている。STAQは、そのニーズに対し独創的な取組みを行い、量子コンピューティングにおける米国のリーダーシップを劇的に進展させるような最先端のアプローチを提供してくれるだろう。」
分野横断的プロジェクトであるSTAQは研究分野の融合を促すとともに、「NSFの将来投資のための10のビッグ・アイデア」の一つである「量子飛躍:次の量子革命を主導する」に沿ったものである。本プロジェクトはNSFの数学・物理科学局、工学局およびコンピュータ・情報科学工学局を通して助成される。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]