[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/09/26
抄訳記事公開日:
2018/10/30

連邦政府が基本計画「量子技術 – 基礎研究から市場へ」を決定

Quanten – ein neues Zeitalter?

本文:

9月26日、連邦閣議は連邦政府の基本計画「量子技術 – 基礎研究から市場へ」を決定。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

基本計画「量子技術 – 基礎研究から市場へ」という未来志向の分野における研究が初めて組織的に進められることとなった。連邦政府は今議会任期中(2021年まで)に量子技術領域の研究開発のために約6億5,000万ユーロを投入する。

数十年にわたり物理学的基礎研究の専門分野であった量子効果が、最近になって初期的な技術的応用への道筋を見出した。このような「第2世代の量子技術」のポテンシャルは、これまで古典的な技術では十分に対応できなかった重要課題に取り組むことを約束する。盗聴を防止できるデータ・コミュニケーション、超精密な計測機器および画像や著しく高性能のコンピューター等の技術である。

カルチェクBMBF大臣は、「今日、この魅力的な未来分野への知見を有することができるのは、優れた基礎研究のお陰である。それをベースに、量子物理学分野におけるドイツの研究の確固たる地位を拡大し、また開発していきたい。0と1によるデジタル化の後に何が来るのかを知りたい」と述べ、「ドイツの国際競争力そして雇用を確保するためにこの新たな基幹技術がもたらすチャンスを掌中にすることが肝要である」と続けた。

同基本計画によって連邦政府は、ドイツにおける量子技術を科学的、経済的に将来においても確固としたものとするため、研究センター設置による研究全体の拡充、産業界とのネットワーク構築や産学連携プロジェクト推進、若手研究者のための研究グループの形成、人材育成に関連する問題の解決を図ろうとしている。研究開発の対象は例えば衛星通信、量子コンピューター、より高性能で安全なデータ・ネットワークのための新たな計測技術等となる。またこの新計画では、量子技術に関する一般の理解を深める努力を促進する。

同計画にはBMBFの他、連邦経済エネルギー省、連邦内務省、連邦防衛省も参加する。

[DW編集局]