[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2018/08/31
抄訳記事公開日:
2018/11/08

科学者が大気中のCO2排出量変化の原因を調査

Les chercheurs explorent les causes des variations des émissions de CO2 dans l’atmosphère

本文:

2018年8月30日付国立科学研究センター(CNRS)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

気候・環境科学研究室(LSCE:CEA / CNRS / UVSQ、Paris-Saclay)の気候学者が関与する最近のいくつかの成果は、干ばつと(植生・大気間の)CO2交換との関係を説明している。これらの様々な現象が地球規模での大気中のCO2の増大に及ぼす影響は無視できない。人工衛星を活用した革新的な方式による調査では、干ばつの数年間にCO2の大気中濃度が急速に上昇している。

スイス連邦工科大学(ETH)、LSCE:CEA / CNRS / UVSQ、Paris-Saclay、英国エクセター大学の研究によると、水不足下の生態系では炭素吸収が少なくなるため、干ばつ時の大気中のCO2密度はより速く上昇していることを示している。この研究結果は、人間の活動に起因するCO2放出が比較的安定しているにもかかわらず、大気中のCO2が年度により大きく変化する理由を理解するのに役立っている。

北半球における顕著な干ばつ時において、植物はより効率的に水を使用しているが、CO2の捕捉量は少なくなっている。過酷な干ばつにより農作物の収量が極度に落ち込み、森林による炭素補足が減少することで、大気中のCO2濃度の増加が加速している。

1998~2012年の間に、土地利用の促進とともに、炭素吸収源の容量が増加している。大陸表面に固定される炭素(別名、陸上の炭素の井戸)の量は、温暖化の進行が緩やかであったこの期間に増加した。

[DW編集局+JSTパリ事務所]