[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2018/09/03
抄訳記事公開日:
2018/11/12

病気と社会的行動との相互作用に関する共同研究

Pathologies et interactions sociales : se regrouper pour mieux lutter

本文:

2018年9月3日付国立科学研究センター(CNRS)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

社会的行動が病気の進行に影響を及ぼすのか、非伝染性であっても影響を及ぼすのか? CNRSのフランスチームは、開発研究所(IRD)、パリ南大学、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、モンペリエ大学、さらにはスペインとオーストラリアの研究仲間の協力を得て、この問題を明らかにした。

上記の研究は、ハエにおける腸がんのモデルを使用することによって、社会的隔離が疾患の進行に及ぼす悪影響に加えて、グループの構成も、その中において個体が変化する時、一つの役割を果たすことを示している。この研究は、2018年9月3日付で”Nature Communications”誌に発表される。

人間を含む多くの動物において、グループ内の社会的行動は、個体の生存に重要な役割を果たす。伝染病の伝播に対する個人間の交流の影響は十分に認識されているが、社会的相互作用とがんなどの非伝染病の進行との関連についてはどうか? 研究者らはショウジョウバエを生物学的モデルとして用いてこの問題に迫った。このハエは、その社会環境を制御しやすく、その病理学的実験的誘導(ここでは腸がん)が容易である。

研究者たちは、このような方法で、個々の病人が経験した社会環境が腫瘍の進行速度に影響を与えるのかどうか、また病人が病気の進行を最小限に抑えるような社会環境を選択することができるかについて、解明しようとしている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]