[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2018/07/06
抄訳記事公開日:
2018/11/15

科学・イノベーションの最適の場としての英国の新たな魅力

Britain's new unique selling point (USP): the go-to place for science and innovation

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の2018年7月6日付標記発表では、サム・ギマー(Sam Gyimah)科学担当大臣のオクスフォード・サイエンス・パークにおける講演内容を報じている。科学・イノベーションに関して次の30年になすべきことについて語っている。講演の概要は以下のとおり。

“Tech Nation”が今月初めに発表した新しい統計によると、英国は欧州のテクノロジー・ハブとしてのリードを維持している。英国は、欧州に34社あるテクノロジー「ユニコーン(unicorns)」(企業価値評価額が10億ドル以上の非上場ベンチャー企業)のうちの13社を擁している。ドイツ、フランス、スウェーデンへの投資額の合計よりも大きな投資がベンチャーキャピタルから英国になされている。2017年には、テクノロジー部門は4.5%の成長を達成し、これは経済全体の速さの2.6倍である。

社会が直面している大きな課題に取り組み、さらなる経済成長を図るには、科学、技術、イノベーションの能力を倍加する必要がある。

・イノベーションの倍増策

これは部分的には投資の問題である。政府は、科学者、研究者、イノベータの創意工夫を支援すべく、40年にわたり研究開発向け公的ファンディングの最大の増額を行ってきた。それはまた、(対GDP比)2.4%という長期の取り組みでもある。

英国の研究開発に対する公的投資1ポンドにつき、企業は2ポンドを投資している。しかし事業を成功させるには、研究開発以上のものが必要である。そのためより長期的な民間投資に必要な環境の創出に努力している。

・資金以外の要素

しかし、科学、研究、イノベーションの力で経済を創出することは、単にお金を使うことや技術に対して漠然とした熱意を持つことだけではない。

第一に、英国は開放性(オープンネス)の長い歴史を持つ。英国の人々は新しい技術を好む。英国の研究室や企業には、英国で働くことを選んだ世界中から来た人々が大勢いる。英国はアイデアに対してもオープンである。歴史家が言うように、産業革命の偉大なアイデアの多くは、もともとフランス人が発明して英国人が実用化したものである。

英国の第二の利点は、例えば、資本市場、広く賞賛される法制度、世界的に有名な大学といった、強固でありながら機動的な制度を有することである。また、無形資産投資の世界でますます重要になっている知的財産制度や、その影響力が世界的である標準化団体、専門機関、学会などもある。

英国の第三の利点は起業家精神である。英国の起業家精神は強く、新しい企業が75秒ごとに立ち上がっている。

これら3つの利点は、英国のこれまでの経済モデルにとって不可欠であった。そしてテクノロジー主導の高度経済成長を目指す英国の将来計画も、これらの利点を活用することができてこそ成功するだろう。

・イノベーション・プラットフォームとしての英国

英国がハイテク国家になる方法は、テクノロジー・ナショナリズムではなく、英国や世界の優れたアイデアを実現する場所、そして最高の企業が市場を見つけて雇用を創出し成長できる場所、すなわちプラットフォームになることである。そのためには、言及した3つの利点のそれぞれを最大限に活用する必要がある。

[DW編集局]