[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2018/09/26
抄訳記事公開日:
2018/12/04

GAOが量子コンピューテイングおよび合成生物学研究における米国の競争力維持を考察

Considerations for Maintaining U.S. Competitiveness in Quantum Computing, Synthetic Biology, and Other Potentially Transformational Research Areas

本文:

9月26日付けの政府説明責任局(GAO)による標記記事の概要は以下のとおりである。

GAOは、技術進歩に変革をもたらす可能性がある研究に対する連邦の支援のあり方を評価し、報告書を取りまとめた。本報告書では、特定領域での研究における連邦政府機関および非連邦政府機関の支援策を明らかにし、これらの研究における連邦政府機関の調整方策を検討し、さらに、それらの研究の進展を通じて米国競争力を維持するための留意点を専門家から聴取している。 具体的な研究領域として、GAOは、量子コンピューティングと合成生物学を、技術進歩に変革をもたらす可能性のあるものとして選択した。

GAOは、多くの連邦および非連邦機関が、量子コンピューティングと合成生物学の分野で変革的な技術進歩のための研究を支援していることを見出した。少なくとも6つの連邦機関が量子コンピューティング研究を、そして少なくとも10の連邦機関が合成生物学研究を支援しており、多くの大学や企業等の非連邦組織が、両研究分野の研究を支援している。

調査の結果、連邦機関は会議や省庁間のグループを介して、両研究領域の事業を調整しているが、十分に調整が行われていないことが明らかになった。例えば、4連邦機関が共同運営する量子コンピューティンググループや国立科学財団(NSF)が率いる合成生物学グループは、GAOが機関間の協力関係を強化し保持するものとして特定した施策のいくつかを実践しようとしているが、米国の競争力維持のために連邦機関の取組みを効果的に組織化するための、役割と責任について合意して共通目標を特定するなどの、その他の実践ができていない。

このため、GAOは、連邦機関の取組みを先導する機関が、先進的なコラボレーションの完全実施のための措置を講じることを勧告した。また、招集した専門家から以下の提言を聴取した。
・コンソーシアム等の枠組みを活用し、潜在的パートナーを結束させる戦略的アプローチを開発すること。
・情報共有のリスクを考慮しつつ、研究者間で情報を共有する環境を醸成すること。
・技術革新の多段階にわたる支援を提供するなど、技術開発と商業化に焦点を当てること。
・訓練、採用、および人材の引き留めを介して科学技術人材を強化すること。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]