[本文]
-
- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2018/09/27
- 抄訳記事公開日:
- 2018/12/04
-
政策立案者に科学的エビデンスをもたらすためのAAAS EPIセンターの設置
- 本文:
-
9月27日付米国科学振興協会(AAAS)の標記記事の概要は次のとおりである。
AAASの公的問題における科学的エビデンス・センター(Center for Scientific Evidence in Public Issues: EPI)は9月24日に、科学的技術的エビデンスを米国の様々なレベルの行政機関で政策立案に関わる人々と共有すべく活動を開始した。
このセンターはマイケル・フェルナンデス氏をセンター長とし、クリーン・ウオーターから麻薬危機に至るまで幅広い問題を扱う政策立案者のために超党派情報を提供するための新しいイニシアチブである。ある特定の法律のロビー活動をしたり、何年もかけて一つの問題を徹底的に調査したりする代わりに、EPIセンターが、タイムリーでわかり易いエビデンスの記述を行う(そのトピックについて科学者は何を知っているか、どのようにして知ったか、エビデンスの意味は、他の公的政策問題とどのように関連するか)。センター設置はある意味、1995年に廃止された技術評価局(Office of Technology Assessment: OTA)の喪失を埋めるものとも言える。
現在設置中の諮問委員会の指導を受け、フェルナンデスとセンターのスタッフは公的政策においてすでに議論の的となっている問題や近い将来に議論が起こりそうな問題について分析する。フェルナンデス氏は「最初に知事、市長関連の委員会、議会の委員会などを訪ねて、彼らが直面している問題の聞き取りを行いたい」と述べている。
また、同氏は「科学政策のエコシステムは煩雑で多様化しており、所長としての目標の一つはEPIセンターの仕事を知ってもらうことである。センターの目的は沢山の白書を作り配布し、棚に飾ってもらうことではない。もっと敏捷でもっとダイナミックでもっと対話型のものである」と言う。センターはSNSを駆使し対話型のコミュニケーションをすることにより、幅広い聴衆との対話をする。
「課題となるのは、できる限り公平であり、中立的であることである。センターを信頼のおける情報の源とすることが重要である」とフェルナンデス氏は語る。また、「この種の活動は関係者の間で、非常に待ち望まれていたことであり、我々自身が真剣に受け止められ信頼のおけるものとして確立できれば、変化をもたらすことができるであろう」と語っている。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]