[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究大学連盟(LERU)
元記事公開日:
2018/05/23
抄訳記事公開日:
2018/12/07

Brexit後の欧州研究・イノベーションの将来に関する欧州研究大学連盟の声明

LERU statement on the future of European Science and Innovation post Brexit

本文:

欧州研究大学連盟(LERU)による2018年5月23日付の標記に関する声明のほか、全欧アカデミー連盟(ALLEA)による同様の声明(2018年5月4日付)について、その概要を以下に記す。

● 欧州研究大学協会(LERU)による声明

英国メイ首相が最近ジョドレルバンクで行った演説で、英国はBrexit後も研究とイノベーションに関する第9次EU枠組みプログラム(Horizon Europe)への完全な関与を希望しており、”Horizon Europe”および”Euratom R&T”に英国が参加する場合に資金を提供する旨再確認したことを、LERUは好意的に受け止める。

英国の科学が、欧州における科学・イノベーションに引き続き重要な貢献ができるような方法を見出すことが極めて重要である。長年にわたるEU加盟国としての活動を通じて、英国は欧州の研究・イノベーション・エコシステムにとって不可欠な部分となっている。

したがって、LERUは、英国政府とEU27か国の双方に対して、Brexit交渉において科学・イノベーションを優先課題とし、英国の科学者や研究者がBrexit後も欧州研究圏のエレメントや方策のすべてに引き続き参加できるような解決策に到達できるよう要望する。

● 全欧アカデミー連盟(ALLEA)による声明
http://www.allea.org/allea-signs-statement-on-future-partnership-between-uk-and-eu-countries-after-brexit/

声明では、英国とEUの将来のパートナーシップに向けて、より広範な欧州研究圏の研究コミュニティによる取り組みを表明している。それにより優れた研究・イノベーションが欧州全域で活性化し、連携と協力に積極的な支援が行われ、障壁の発生が回避される。ALLEAは、他の組織と共同で、英国とEUの研究者が互いの利益、さらにはより幅広いグローバルなコミュニティの利益のために、引き続き緊密に協力できることを確保していきたい。

・欧州各地の研究者は、英国の研究者を含む広範かつ貴重なネットワークを構築し、優れた研究を支えている。これらのネットワークを維持するために、研究者とそのチームは、国境を越えて協力し、多国籍活動の一環として、容易かつ柔軟に移動できる必要がある。
・欧州の研究プログラムは、国境を越えた共同研究のための比類なきサポートを提供し、欧州研究圏そしてそれを越えた共同プロジェクトを可能にしている。
・将来のパートナーシップを成功させるには、(協力の継続を阻害するのではなくむしろ促進する)より幅広い政策によって補完される必要がある。
・英国は欧州の科学の重要なプレーヤーである。この欧州と英国の関係はユニークであり、世界中のパートナーとの強いつながりを補完するものある。

[DW編集局]