[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究会議(ERC)
元記事公開日:
2018/05/04
抄訳記事公開日:
2018/12/13

ERCの助成金受給者50人に、研究成果を商業化するための資金を提供

50 ERC GRANTEES BACKED TO BRING RESEARCH FINDINGS TO MARKET

本文:

欧州研究会議(ERC)の2018年5月4日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州研究会議(ERC)の助成金受給者50人が、ERCから資金供与された各自のフロンティア研究による成果の商業的・社会的可能性を探るため、概念実証助成金(Proof of Concept Grant)制度を通じて追加資金を受けることになった。助成金は、EUの研究・イノベーション・プログラム「ホライズン2020」の一環として提供されている。

資金供与されたプロジェクトは、汎用性のあるインフルエンザワクチン開発における将来的に有望な進展、パーキンソン病およびその他の神経系疾患を患う人々に脳深部刺激療法を施すための脳の皮質下部の図譜、環境負荷の少ない新しいメントール製造方法、フェイク・ニュースを自動検出するためのディープ・ラーニング(深層学習)アルゴリズムなど、多様な分野にわたっている。

概念実証助成金は1件あたり150,000ユーロで、ビジネスチャンスの模索や特許申請の準備、科学的概念の実行可能性の検証などに用いることができる。先ごろ発表されたERCのイノベーション・スキームに関する独立審査により、このイニシアティブは「コンセプトは健全で、実際面でも効果的」であり、ERCから資金供与された研究者が新会社を設立したり、特許を申請したり、各自の研究に市場性を持たせるために資本を呼び込んだりすることに貢献していると示されている。

新たな助成金は、次の12か国の研究者に付与される。オーストリア(2件)フィンランド(3件)、ドイツ(7件)、アイルランド(1件)、イスラエル(8件)、イタリア(3件)、オランダ(3件)、ノルウェー(1件)、スペイン(5件)、スウェーデン(3件)、スイス(3件)、英国(11件)。

この助成金制度は、ERCの助成金受給者のみが対象となる。ERCの助成金受給者であれば、毎年3回行われる募集のいずれか1つに応募することができる。2018年の第1回目となる今回の公募で、ERCは114件の応募を審査した。2018年のコンペティション全体の予算は、2,000万ユーロとなっている。

[JSTパリ事務所]