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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
- 元記事公開日:
- 2018/09/28
- 抄訳記事公開日:
- 2018/12/20
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Horizon Europeに関連した欧州のイノベーション支援イニシアチブ
Enseignement supérieur, recherche et innovation : des initiatives pour l'Europe
- 本文:
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2018年9月28日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。
9月28日、フレデリック・ヴィダル MESRI 大臣はブリュッセルで開催された競争力会議に出席した。この会議の主題は、2020年以降のEUの研究枠組みプログラムとなる”Horizon Europe”である。
●仏・独共同イニシアチブによる破壊的なイノベーションを目指す欧州機関の創設
2017年9月26日、エマニュエル・マクロン大統領はその”Initiative for Europe”演説において、米国の国防高等研究計画局(DARPA)をモデルとする破壊的なイノベーションを目指す欧州機関を2年以内に創設するよう提案している。この機関の目的は、欧州をイノベーションの牽引車にとするという野心的な目標の下に、人工知能のような新しい分野の研究に資金支援を行うことにある。
仏・独両政府は、破壊的なイノベーションの出現とその市場への迅速な導入を促進するべく、新たな手段の構築を目的とするネットワークの設置を提案している。
フランスは上記と並行して、国家の社会的・技術的課題に取り組むべく、年間約1億5000万ユーロの予算により画期的なイノベーションへのチャレンジを継続して実施する。
● 野心的な宇宙政策
欧州は、世界で最も先進的な宇宙セクターの1つを擁しているが、これは経済的、技術的、科学的資産であるとともに、戦略的資産でもある。フランスは欧州の宇宙建設において主導的役割を果たしている。
6月6日には、研究開発を除く160億ユーロという割当予算の大幅な増加により支援されるEUの宇宙プログラム策定のための規準が発表された。欧州の歴史において最初となるこの宇宙規準は、このテーマを前進させる欧州の意志を明確にするものである。そこでは欧州委員会がその主たるプレーヤーになる。これには、次期研究・イノベーション枠組プログラム”Horizon Europe”の研究開発に20〜30億ユーロの予算が追加される予定である。
フランスにとっての当面の課題は次のとおり。
・打ち上げと宇宙利用の支援、アリアン6号の最大活用、ギアナ宇宙センターの最新化を図り、将来に備える。
・情報・信号のセキュリティ。特に衛星測位プログラム”Galileo”に関するもの。
・EUと欧州宇宙機関(ESA)との間の交流円滑化による相乗効果の促進。● 欧州大学ネットワークの創設
このイニシアチブは、欧州レベルで共有された合意の対象である。フランスは、欧州の学生が欧州の学位を取得するために欧州のコースを履修することを可能とする同盟を組むという政治的野心を持っている。
欧州委員会は、2018年10月に、2019~2020年のErasmus +プログラムに基づく3年間のパイロットプロジェクトを開始することにより、欧州大学の出現を支援している。さらに、2020年以降の次期教育訓練プログラムに専用ツールを導入することを提案している。
[DW編集局+JSTパリ事務所]