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- 国・地域名:
- スイス
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- スイス国立科学財団(SNSF)
- 元記事公開日:
- 2018/07/10
- 抄訳記事公開日:
- 2019/01/31
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SNSF男女平等委員会:大きな前進も、すべきことはまだ山積
SNSF Gender Equality Commission: much achieved, but still a lot to do
- 本文:
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スイス国立科学財団(SNSF)の2018年7月10日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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学術研究においては、女性研究者はいまだに過小評価され続けている。またスイスの研究界においては、多様性と機会均等も重要な評価基準となっている。スイス国立科学財団(SNSF)は男女平等に取り組んでおり、4年前には男女平等委員会(Gender Equality Commission)を新設した。先日この委員会のメンバーが再選され、任期がさらに4年間延長された。Michelle Cottierはジュネーヴ大学で私法の教鞭をとる教授で、Patricia Schulzに代わる新メンバーとして委員会に加わった。男女平等委員会は年に2回の会合を開き、男女平等に関するあらゆる事項についてSNSFの他組織を支援している。委員会議長は、フリードリッヒ・ミーシェル研究所(Friedrich Miescher Institute)のSusan Gasser所長が務める。彼女は、これまでの4年間の委員会の活動についておおむね肯定的な評価を下しており、「国内外の専門家による委員会を設置するという決断は、十分に報われた。私たちは、たとえば教授を目指す女性研究者をサポートする新たな資金供与制度「PRIMA」などについて、貴重なアドバイスをすることができた。」と話す。
委員会は、一連のプレゼンテーションを通じ、国家研究会議の目を男女平等問題に向けさせ、SNSFのジェンダー監視の枠組みを形作る手助けをしてきた。2016年の夏には、「ジェンダーと卓越性(Gender and Excellence)」に関するSNSFの第2回会議にも参加。講演者および2つのパネルが、卓越性の認識および評価において性別に基づく偏見は存在するか、という疑問を中心に議論を進めた。
男女平等委員会およびSNSFの戦略機関は、今後の協力についてさらに調整を続けていく予定である。Susan Gasserは「男女平等に対しては、今後もターゲットを絞った組織的なアプローチで臨むことが重要となる。すべきことがたくさん残されているからだ。私たちは体系的に認識を向上させていく必要がある。スイスでは、女性教授の割合はまだ20%に満たないが、博士号を持つ人々の約40%は女性である。スイスの研究界は、このような潜在能力を生かし切れていない。」とも話している。
[JSTパリ事務所]