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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2018/11/28
- 抄訳記事公開日:
- 2019/02/04
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連邦閣議が新たな健康研究基本計画を決議
- 本文:
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ドイツ連邦閣議は健康研究政策の新たな枠組みを決議。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
連邦政府は、病気を効果的に予防し治療する、医学の進歩を促進させ、研究拠点ドイツをさらに強化することを目標に保健研究基本計画を刷新した。同計画の期間は10年間で、連邦政府の保健研究の戦略が規定されている。複数の助成プログラムにより連邦政府は重大な疾病と取り組み、有望な治療方法や技術を助成し、研究環境を改善する。
カルリチェク大臣談:「保健研究ほど人間の生命に直接関わる科学はない。新たな知識や技術は健康ケアを決定的に向上させることができ、このポテンシャルを政府は責任をもって活用したい。ドイツの強みは科学体系の多様性である。健康研究におけるステークホルダー間の協力をさらに向上させたい。なぜならば、今日の著しい知識の進歩は、研究者と医師が専門領域と機関の境界を越えて協力し、患者を取り込んでいく場合にのみ、達成することができるからである」。
連邦政府は、すべての人々が保健研究の恩恵を受けられることを確保したいと考えている。保健研究が成功とされるのは、その成果ができるだけ速やかに人間の生活に届いた場合のみだからである。しかしそのためには、研究者が、患者やその家族にとって何が重要なのか、日常の仕事の上で、かかりつけ医や介護要員にとって助けとなるものは何か、を正確に知る必要がある。新たな基本計画は、研究プロジェクトにおいて、患者の参加を促すなど、この貴重な交流を強化するものである。
デジタル化は今日、既に医療と保健研究を根本的に変化させている。連邦政府はデジタルイノベーションが可能な限り迅速に患者を救うよう力を尽くしていく。今後、さらに個別化医療は重要になってくる。なぜなら、人はそれぞれ、個別の要素や特性によって特定の治療に対しても異なった反応をするからである。治療方法は将来、各人に合わせたものとすべきである。「デジタル化と個別化医療を共に積極的に推進し、医学進歩の鍵にする」とカルリチェク大臣は語った。
特にがん治療では個別化医療に大きな期待が寄せられている。とはいえ今以上に原因と予防をより効果的に研究しなければならない。がんに対する国を挙げての10年計画によって、この死に至ることの多い病気とより強く戦っていくべきである。
二つのドイツ保健研究センターの設立により、児童および若年者特有の問題並びに精神的疾患はもっと注目を集めるものになる。研究とケアはこれら研究センターで密に協力し、そこで発見された知識が迅速に患者に役立つようにする。
健康研究基本計画は2019年1月1日に発効する。
[DW編集局]