[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2018/12/03
抄訳記事公開日:
2019/02/14

高等教育機関の2017年度研究開発費が前年比4.7%の増加

Higher education research and development expenditures increased 4.7 percent from FY2016 to FY2017

本文:

12月3日付の国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

米国における高等教育機関の研究開発のための資金提供は、2017会計年度において753億ドルに達し、2016会計年度から4.7%の増加であった。

連邦政府による資金提供は、経常ドルと恒常ドルの両方において増加している。2009年の米国再生・再投資法により、2009年から2011年にかけての支出のピーク以来、初めての連続で増加となった。これらのデータは、NSFの内部組織である国立科学工学統計センターにより実施された高等教育機関研究開発(HERD)調査によるものである。

連邦政府の資金は最も高い割合を占めており、2017会計年度においては53.5%であった。その割合は2016会計年度(54%)とほぼ同じであったが、1953年にこの統計が始まって以来、最低となっている。

大学の独自財源から資金提供された研究開発費は2017会計年度において190億ドル近くに達した。この総額は、高等教育機関の研究開発費全体の25%を占めている。独自財源からの資金提供の総額および占有率はいずれも、本調査の開始以来、最高となっている。

大学が費やした研究費のうち基礎研究が占める割合は2010会計年度以降、徐々に減少している。基礎研究への支出が、2010会計年度に約66%を占めたのに対し、2017会計年度は約62%であった。

2017会計年度において、応用研究と実験的開発の割合は、それぞれ、28.5%と9.6%に増えている。これらの数字は、2010会計年度において、それぞれ、25%とほぼ9%であったのと比較して増加している。2017会計年度において、連邦政府と連邦政府以外の財源からの資金提供の両方とも、応用研究が占める割合は同様(約28%)であったが、基礎研究では連邦政府の資金提供の占める割合が高くなっている(63.7%)。

2017会計年度における研究開発費の増加額34億ドルのうち3分の2は、ライフサイエンス分野のうちの生物学・生物医学分野の増(6億6,400万ドル)と健康科学分野の増(16億ドル)に由来している。

ジョンズ・ホプキンス大学が最大の研究開発費(25億ドル)を報告した。この金額には応用物理研究所の支出が含まれている。ミシガン大学の15億ドル、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の14億ドルが続いた。

本報告を通して、会計年度として言及されたのは、学術的な会計年度、一般的には7月1日から6月30日である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]