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国・地域名:
オランダ
元記事の言語:
英語
公開機関:
オランダ科学研究機構(NWO)
元記事公開日:
2018/08/21
抄訳記事公開日:
2019/02/15

応用科学・工学(AES)部門の2017年次報告書を発表

AES looks back on 2017

本文:

オランダ科学研究機構(NWO)の2018年7月20日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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NWOの2017年度年次報告書が発表され、応用科学・工学(AES)部門のJaap Schouten部門長が、2017年はNWOのAESにとって重要な過渡期の年であったと多忙な一年を振り返った。NWOにおける移行を促すためにオランダ技術財団(STW)に別れを告げ、NWOにAESを新設するという大規模な組織改革を行うとともに、NWOに新設された他のユニットを調整する作業を続けた。

NWOの応用科学・工学(AES)部門は2017年に誕生した。AESが業務を引き継いだSTWは、研究者と企業、社会的組織の間にパートナーシップを形成し、これをリードすることに力を入れていた。その中で、STWは常に柔軟かつ統合的な作業方法を取り入れてきたが、AESもこうした方針を踏襲している。

過去数年にわたってSTWの方針の成果を詳細にまとめていた調査委員会も、昨年、同じ結論に達した。STWは、効率的かつ効果的に活動することでオランダの科学技術に大きく貢献してきた。STWの成果調査は、教育・文化・科学省と経済省の委託により、独立評価委員会が実施したものである。

STWが実施し、成功を収めた資金供与制度はすべてNWOのAESに移行され、2017年には6つの新しいPerspectiveプログラムを開始することが可能となった。NWOの広範な資金供与制度の中でも特に目を引く新制度の一つが、Industrial Doctorate(産業指向博士課程)プログラムである。このプログラムでは、研究者は博士課程の研究を研究機関と企業の双方で行うことができる。このような研究によって、研究者の才能がさらに磨かれるような集約的なパートナーシップが誕生することが期待される。またこうした研究は、科学知識の応用においても新たな機会をもたらしてくれるだろう。

2017年NWOは、向こう2年間にわたり、トップ・セクター部門の高度な科学研究に対してNWOが5億5,000万ユーロを拠出する旨を発表した。この拠出金のうち、2億7,200万ユーロが充当される研究は、企業も多額の資金を提供する官民パートナーシップである。2018年から2019年にかけてのNWOの新たな活動の中でも重要なものの一つが、「クロスオーバー・コール(Crossover call)」である。これには計4,000万ユーロの予算が割り当てられている。このクロスオーバー・コールを通じて、NWOは社会的課題に焦点を絞った官民パートナーシップとして進められ、そのテーマがトップ・セクターにも関連している研究に資金を提供することになる。

NWOの移行から得られた具体的な成果の一つは、資金供与に応募する研究者にとっての透明性が高まったという点である。これを実現するため、NWOは新たな助成金規則(Grant Rules)を策定した。この規則の下では、AESを含めたNWOのすべてが助成金を交付することができる。このNWO助成金規則には、NWOが助成金を交付する際に適用されるすべての条件および義務が明記されている。

[JSTパリ事務所]