[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2018/09/25
抄訳記事公開日:
2019/02/18

スマート・スペシャリゼーションに関する国際会議

"Made in the EU" Smart Specialisation inspires the world

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2018年9月25日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===
欧州委員会共同研究センター(JRC)が、5つの大陸のスマート・スペシャリゼーション専門家による初の国際会議を開き、経済変革に対するこの参加型アプローチについて協議する。

過去5年にわたり、欧州各地で120を超えるスマート・スペシャリゼーション戦略が策定されてきた。これらの戦略を支援するため、欧州地域開発基金(European Regional Development Fund:ERDF)(プログラム期間は2014-2020年)および各国・各地域の財源により670億ユーロ超の資金が確保されている。スマート・スペシャリゼーションは、産業の近代化、デジタル化、エネルギー転換および農業食品などの分野における地域間パートナーシップおよび国際的パートナーシップも推進している。

2020年までに達成が見込まれている成果には、15,000点の新製品の市場提供、140,000社の新規スタートアップ企業および350,000口の新規雇用創出なども含まれている。

スマート・スペシャリゼーションは、世界のいくつかの国および地域では、分散型・イノベーション先導型地域開発政策のモデルとして支持を集めつつある。欧州委員会の地域・都市政策総局とJRCが開発したスマート・スペシャリゼーション・プラットフォームには、EUの18か国および177の地域に続き、すでにEU以外の6か国および16の地域が登録している。

2018年9月25日にセビリアで実施されるワークショップ「スマート・スペシャリゼーションをEUから世界へ(Smart Specialisation from the EU to the world)」では、5つの大陸から、スマート・スペシャリゼーションに携わる関係者および専門家(政策立案者、研究者、国際組織の代表および実務家など)約100人が参集し初めて顔を合わせる。このイベントでは、スマート・スペシャリゼーションがすでに展開されている国や、近い将来これが展開される可能性がある国など、スマート・スペシャリゼーションが欧州の枠を超えて広範囲に及ぼす影響力が明らかにされる。またこのワークショップは、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダ、特に持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための有力な手段として、スマート・スペシャリゼーションが国際的なアジェンダにおいて果たし得る役割を示す機会にもなる。

スマート・スペシャリゼーションは、各地域の状況に適した研究イノベーションへの投資を行う目的で策定されている。各地域および加盟国は、2014年から2020年までの会計期間について、スマート・スペシャリゼーションのための研究イノベーション戦略を作成し、一定数の優先項目を定める必要がある。これらの優先項目に対しては、欧州地域開発基金(ERDF)から資金が提供される。これは、次期プログラム期間(2021-2027年)にも継続される。

[JSTパリ事務所]