[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2018/12/06
抄訳記事公開日:
2019/02/25

NISTが、連邦政府が支援する研究開発の商業化促進のためのアクションについて発表

Commerce's NIST Announces Actions to Stimulate Commercialization of Federally Funded R&D

本文:

12月6日付け国立標準技術研究所(NIST)による標記記事の概要は次のとおりである。

米国は他のどの国よりも研究開発(R&D)に投資しており、政府のR&D予算だけで年間1,500億ドルを超えている。トランプ大統領の「政権運営アジェンダ」に沿って、商務省・国立標準技術研究所(NIST)は21世紀における技術移転とイノベーションのシステムを近代化するためのステップを詳細に記したグリーンペーパー(緑書)案(緑書:広く一般の人々から意見を求めるために、提案・構想を発表する政府の刊行物で、決定した政策を示す白書に対するもの)を公開した。この案に書かれているアクション項目はR&Dに対する納税者の投資の還元を最大化することに資するものである。

この緑書案は官報での意見招請、公開ミーティング、多くのステークホールダ―によるセッションなどを通じた一般からの広範な意見のほか、連邦政府のR&D技術移転に関する報告書や研究のレビューに基づいて書かれている。これは、ディスカッションのための資料であり、政府による政策関与を記したものでも政策決定したものでもない。

技術移転の近代化
現在の技術移転に関する法的措置は80年代に作られた2つの法に基づいている:スチーブンソン・ワイドラー技術革新法とバイ・ドール法である。この2法により、知財所有権が明らかにされ、連邦政府R&Dの商業化が奨励された。米国が技術開発で最先端にあり続けるために、この緑書は大統領の政権運営アジェンダに述べられている連邦政府の機関横断的優先目標の一つ「研究室から市場へ(Lab-to-Market)」に沿って次の5つのアクション項目を設けている。

1. 規制・行政的負荷の軽減:企業が連邦政府研究所と協力および連邦政府資金により運営されているR&Dに容易にアクセスできるような措置を講ずる。特に政府使用ライセンスと介入権の範囲を明確にする事の重要性を強調する。

2. 民間企業との成約を増やす:法を解釈するにあたり、ベストプラクティスの活用の奨励と政府全体に一貫性をもたせ、技術移転が行われやすい環境を作る。

3. R&Dにおける起業家精神:起業家精神を連邦政府内に、より一層植え付けるために、連邦政府R&D機関にテクノロジー起業家精神プログラムを創設することを提案。利益相反の要求事項を明確にした上で、民間企業の研究者と国の研究所や政府資金を得ている大学の研究者が組むことを奨励する。

4. 新しい技術移転ツール:最新の使い勝手の良い政府知財(IP)データ報告システムを作り、IP追跡を容易とし、規制をスリム化する。

5. 効果測定:政府研究に対する投資利益率を最大化するために、これらのR&D投資の結果やインパクトをより正確に測定する必要がある。緑書は信頼できる分析法の必要性を強調する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]