[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2019/01/10
抄訳記事公開日:
2019/02/26

AAASが政府機関閉鎖による米国の科学活動の中断について懸念を表明

AAAS Raises Concerns About Disruptions to the U.S. Scientific Enterprise Amid Shutdown

本文:

2019年1月10日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記発表の概要は以下のとおりである。

「これまでで2番目に長い今回の政府機関閉鎖(シャットダウン)は、科学者が連邦の助成金を使って研究を行っている複数の連邦機関や研究機関での科学研究活動を妨げている」とAAASのラッシュ・ホルトCEOは述べている。

科学活動に対する連邦政府の部分的な閉鎖の範囲と規模を概説するよう求められたホルト氏は、「数えきれないほど多数の」科学者が「遅れ、混乱、そして時には彼らの研究プロジェクトの破壊に陥っている」と述べた。同氏は、このような多分野にわたる研究の混乱が、農業、環境、宇宙計画の管理から、海洋、沿岸地域、天候の監視まで、あらゆる面で悪影響を及ぼしていると指摘した。

連邦政府の土地やプログラムが閉鎖されたことにより、科学者らのサンプル(これらには長期的な研究プロジェクトの一部である時系列研究で必要とされるものが含まれる)の収集ができなくなっている、とホルト氏は説明する。

同氏はまた、連邦政府外の科学者らの研究についても指摘し、国立科学財団(NSF)からの連邦政府助成金によって支援を受ける研究プロジェクトは、助成金の評価と支払いのプロセスが今や止まっているため、シャットダウンの影響を免れない、と述べている。

環境保護庁(EPA)、海洋大気局(NOAA)、農務省(USDA)、米国航空宇宙局(NASA)などの省庁へのシャットダウンの影響は、科学の面で特に厳しいものである。それはまた、38万人の無給の一時帰休(または一時解雇)の連邦政府職員とその他の約42万人の無給で働く極めて重要な従業員らに対するものである。

AAASは、12月22日早朝のシャットダウン発生を皮切りに、科学の進歩に対する影響について警告を発している。その後発表された声明の中で、ホルト氏は、米国のイノベーションに対する科学・工学の貢献を妨げる可能性のある影響について説明し、議会とホワイトハウスが協力してこの停止状態を終わらせるよう求めた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]