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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防総省(DOD)
- 元記事公開日:
- 2018/12/12
- 抄訳記事公開日:
- 2019/03/05
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下院軍事小委員会での、DODのAI専門家による軍事関連AI導入の取組みについての証言
Artificial Intelligence Experts Address Getting Capabilities to Warfighters
- 本文:
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12月12日付けの国防総省(DOD)による標記記事の概要は以下のとおりである。
2019年度のジョン・S・マケイン国防授権法により、軍事サービスのニーズに関連する人工知能(AI)の進歩について包括的な国家的レビューの実施が、国防長官に求められている。DODの研究技術担当国防副次官リサ・ポーター(Lisa Porter)と最高情報責任者ダナ・ディージー(Dana Deasy)が下院軍事小委員会の公聴会において新たな脅威と能力について証言した。
ポーターは、今日のAIは、無人機のビデオ画像や衛星画像における物体識別やネットワーク上のサイバー脅威の検出など、多くの防衛特有の問題に対する潜在的な解決策を提供するが、AIを国家安全保障上の課題に効果的に適用するためには、取り組まなければならない幾つかの問題があると述べた。第一の問題は、商業アプリケーションのために最適化されているAIシステムは、軍事アプリケーションには不適かもしれないことである。これに対し、DODでは新設の共同AIセンター(Joint Artificial Intelligence Center:JAIC)と既存の研究・工学部門が補完しつつ対応していく。
第二の問題は、既存のAIシステムは膨大なトレーニングデータを必要とし、そのデータをアルゴリズムが使用できる形式にするために膨大な人的労力が必要となることである。このデータキュレーション技術に対しては、JAICがスケーリングと統合に焦点を当てて、イノベーションを推進し、他方で、国防高等研究計画局(DARPA)が少ないデータで機能するアルゴリズムの開発を行う。
ディーシーはJAICについて説明し、JAICの3つの主要テーマを述べた。テーマの1つ目は、AI対応機能の迅速な提供であり、JAICはDOD全体のチームと協力し、ミッションニーズを体系的に識別し、優先順位を付け、選択し、そして一連の手順を迅速に実行しうるようなシステム構築を行う。二つ目は、DOD全体にAIのインパクトを拡大していく上で不可欠な共通基盤を段階的に開発することであり、共有データ、再利用可能なツール、ライブラリ、標準、AIクラウド等を利用することで、これを解決しようとしている。3つ目は、JAICチームの組成であり、現在、30名のメンバーを集結させたが、今後も産業界からの専門家の採用も含めて、世界的なAI人材を確保することが不可欠である。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]