[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2018/12/20
抄訳記事公開日:
2019/03/13

NSFがソフト・ロボティクス研究向けのアウォードを発表

NSF announces awards for soft robotics research

本文:

12月20日付の国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

NSFは、ソフト・ロボティクスの工学的研究のフロンティアを前進させるため、10の研究アウォードに2,000万ドルを投資する。

プログラム可能な皮膚により姿を変えることができるロボットから、弾力性フィラメントで成長させた筋肉繊維から作られたミニチュア・ロボットに至るまで、NSFが資金支援する2018会計年度のプロジェクトは、幅広い応用範囲にわたる様々な研究課題に挑む。

新プロジェクトのソフト・ロボットと従来の硬いロボットとの違いを一つ述べれば、前者は環境の力に応じて変形し、大きく姿を変えることができる。例えば、これらのロボットは繊細な表面を傷つけるのではなく、その輪郭に応じて変形できる。言い換えれば、もし結び目を作れれば、それはソフト・ロボットである。人間の同僚との間で安全に空間を共有したり、椅子から人が立ち上がるのを助けたりするなど、人間と物理的に相互作用する時、変形する構造は硬い材質より望ましい。しかし、ソフト・ロボットの動きをコントロールするためのルールはほとんど知られていない。これらのデバイスが何であり何ができるのか、全く新しい概念や設計を探求することが求められる研究分野と言える。

新しいアウォードは以下のことに焦点を当てる。
・力と情報を伝える柔らかいシステムの設計
・新奇の柔らかい活物質とシステムの創造
・柔軟な構造の大きな変形をモデル化し、予測できる表現の創造
・柔軟な構造の動きと操作に関する新たな理論の構築

これらはNSFの基盤的ロボット研究への長い投資の歴史の上に積み上げられる。

これらのアウォードは、空軍科学研究局(AFOSR)、NSFコンピュータ・情報科学工学局と連携した、NSF工学局の「研究・イノベーションの新興フロンティア・プログラム(Emerging Frontiers in Research and Innovation (EFRI) program)」の支援を受けており、学際研究への重要な投資を示すものである。各アウォードは4年間で約200万ドルにのぼる。

NSF・EFRIの「連続・柔軟・設定可能ソフト・ロボティクス工学(Continuum, Compliant and Configurable Soft Robotics Engineering (C3 SoRo))」投資は以下の10の学際チームを支援する。
・様々なスケールにわたる医療アプリケーションのための電磁気駆動型の柔軟・連続・適応、設定可能ロボット(ジェイク・アボット ユタ大学)
・ソフト・ロボットのための筋肉類似セル・アーキテクチャと柔軟・分散型のセンシングおよびコントロール(アーロン・ダラー エール大学)
・適応的行動が可能なバイオ・ハイブリッド・ソフト・アーキテクチャの計算科学的設計・製造・理解のための統合的アプローチ(マッティア・ガッゾラ イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)
・熱・生化学的駆動の複合ロボットゲルのプログラミング(デビッド・グラシャス ジョンズ・ホプキンス大学)
・強いソフト・ロボット-マルチスケールの穿孔と逆設計(ティモシー・コワレウスキー ミネソタ大学ツイン・シティ校)
・成形可能・形態生成ソフト・ロボットのためのプログラム可能な皮膚(レベッカ・クレイマー-ボッティグリオ イェール大学)
・多様な操作タスクのための柔軟・強力・安全な設定可能ロボット(ダニエラ・ラス MIT)
・高性能電気油圧式変換器に基づくソフト・ロボットの設計・コントロールのための全体的フレームワーク(ロバート・シェパード コーネル大学)
・境界制約された粒状集団に基づくソフト・ロボットの設計原理(マシュー・スペンコ イリノイ工科大学)
・繊維ロボット工学:人間と相互作用する柔らかい衣服の統合的な設計、モデリング、製造およびコントロール(コナー・ウォルシュ ハーバード大学)

[DW編集局+JSTワシントン事務所]