[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2019/01/04
抄訳記事公開日:
2019/03/14

DARPAが知識主導型人工知能推論スキーマ(KAIROS)プログラムを推進

Generating Actionable Understanding of Real-World Phenomena with AI

本文:

1月4日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

現実世界を迅速に把握することは、国家安全保障上、非常に重要なものである。自然界や人間社会で起きているこれらの注目すべき変化は、それ自体が大きな影響を生み出す、あるいはより広範な影響を及ぼす因果関係連鎖の一部を形成する可能性がある。自然界や人間社会における多くの事象は単純ではなく、構成要素や時間のような多数の補助的要素が絡み合う複雑な現象である。しかし、構造化されていない、利用可能なマルチメディア情報が増大しているため、これらの事象とその原因となっている要素を明らかにし、理解することが困難になっている。

DARPAは、マルチメディア情報で見つかった複雑な事象を明らかにし、システムユーザーに伝えるための知識主導型人工知能推論スキーマ(KAIROS)プログラムを作成した。 KAIROSは、現実の複雑な事象について、その文脈に沿ったリアルタイムの推論を可能にし、それらの事象について実用的な理解を深め、それらがどのように展開するか予測するためのスキーマベースのAI機能の作成を目指している。

KAIROSの研究開発は2段階で進められるが、第一段階では、言語学的推論と常識推論に基づいて事象を検出、分類、クラスタ化することによって、大量のデータからスキーマを作成することに焦点を当てる。これに取り組む研究者は、一般化、複合および特殊化プロセスを適用し、それにより単純なイベントと複雑なイベントの両方を記述するスキーマを生成し、役割やタイムラインなどの重要な文脈要素の理解のための複数のスキーマを順序付け、特定ニーズの分析を調整するために問題領域の知識を適用する。

第二段階では、第一段階で作成されたスキーマのライブラリをマルチメディアの多言語情報に適用し、複雑な事象を見つけて抽出する。この段階では、知識ベースの構築と拡張を支援するために、事象と主体、およびそれらの間の関係を特定する必要がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]