[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2018/12/20
抄訳記事公開日:
2019/03/20

CNRSの2019年度当初予算案が理事会に提示される

Budget initial du CNRS pour 2019 présenté au CA

本文:

2018年12月20日付国立科学研究センター(CNRS)の標記発表の概要は以下のとおり。

12月13日に2019年度CNRS当初予算案(BI)が理事会の投票にかけられた。この予算案は、アントワーヌ・プティ(Antoine Petit)理事長が就任直後に策定した主要な方針を運用上で展開するものである。

2019年予算の公共サービス補助金は、26億2,990万ユーロである。これは、前年比で2,240万ユーロ増加しており、その内訳は給与対策で1,900万ユーロ、超大型研究インフラ(TGIR)で340万ユーロである。

研究ユニット支援向けの2018年の措置1,060万ユーロは、2019年も維持される。一方、これまでの数年間あったGVT(資格高度化・高年齢化による給与のスライド変動)による、2500万ユーロ規模の補填がなくなった。2019年1月の主要配賦額のほか、(10の研究部門が提案するテーマに関する80件のプロジェクトの資金支援を可能にする) 80 / Prime(複数チームによる分野横断研究プロジェクト)のようなプログラムを通して、研究ユニット予算に対しては特別な取り組みがなされる。

BI 2019で予定されている自己資金の総額は7億8,850万ユーロである。BI 2018年と比較した場合の5,080万ユーロ(6.7%)の増加は、主に受託研究および不動産収益の上方予測によるものである。

アントワーヌ・プティ氏が就任時に命じた運用資金の監査の結果、総額8,000万ユーロの資金が活用可能であることが確認された。CNRSは、2019年にこの金額の一部を使用して博士課程学生を募集(3年間で3,300万ユーロ)するほか、1,500万ユーロを研究室の支援に充当することで承認を得た。

2019年には、CNRSは250人の研究者と310人の研究支援エンジニア及びテクニシアン職員を募集する予定で、今後数年間は同レベルの募集を行う見込みである。これらの数字は、急激な変動を避けるために4年間にわたり平滑化された退職者の予測に対応している。定年退職以外の理由による退職は、年間約80件である。2019年に採用される研究者数の減少は、過去10年間の実員数の減少に相当するもので、年間平均130ポストである。

理事会は2019年に200人(2020年は100人の予定)の博士課程学生の募集を決めた。この機会に、活性化のため、CNRSによる博士課程学生の報酬に特別な配慮をし、より多くの若い男女が研究に参画するよう奨励することが決定された。2019年9月から、すべての新規博士課程学生に対する報酬を20%以上増加させ、それにより年間総額は3万7,000ユーロになる。博士課程院生の募集に当たっては、3つの主たる優先分野が実行対象になる。多分野研究、社会的課題に問題、国際的戦略的パートナーシップの3課題である。

イノベーション支援に向けた特別な取り組みが実施される。イノベーション担当総局が設置され、早期準備予算が大幅に増加し、研究所由来の40〜50のプロジェクト(これまでは20のプロジェクト)の資金支援が可能になる。主要な産業パートナーとの間で、共通の長期ロードマップの策定、共同研究室の創設、さらには関係科学者らの相互交流の実施について、関係構築が追求されることになる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]