[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2019/01/10
抄訳記事公開日:
2019/03/26

退行性疾患・難治性疾患に取り組む新たな日・英研究パートナーシップ

New UK-Japanese research partnership to tackle degenerative and incurable diseases

本文:

2019年1月10日付ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

英国と日本の医学研究者らは、糖尿病、心臓病、関節炎などの身体を最も衰弱させる退行性疾患の治療法の研究を進めるべく、協力して取り組むことになった。テリーザ・メイ(Theresa May)首相、グレッグ・クラーク(Greg Clark)BEIS大臣、および安倍晋三首相は、あらゆる分野を変革し、両国国民の長寿と健康増進を図る新たな技術・イノベーションを促進するべく、新規の3,000万ポンドのパートナーシップを発表した。

このパートナーシップには、英国の医療研究会議(MRC)と日本医療研究開発機構(AMED)が主導する再生医療を推進する1,000万ポンドのプログラムが含まれている。この研究は、人間の健康における重要な再生過程の理解に役立ち、研究を患者の治療に必要なツールや技術に転換するものである。これは、脳腫瘍や白血病を含む多くの種類の癌に対する新しい治療法につながる可能性があり、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、多発性硬化症などの変性状態によって引き起こされる損傷を修復する可能性がある。

ベンチャー企業を含む英国と日本の企業は、協力して次世代の生活補助製品を開発・展示することでこれをサポートする。人工知能(AI)とロボット技術の生活補助への実装に焦点を当てた共同コンペティションを通じて、企業は、安全で倫理的でインテリジェントな住居環境の構築を支援するためのファンディンにアクセスできる。さらに、英国は日本の高齢化社会サミットおよび認知症に関するグローバル・パネル討論会に参加する。

さらに2,000万ポンドの新規共同ファンディングにより、英国と日本の研究者間の共同研究を支援する。英国と日本は、ロボット技術と人工知能を活用して人間にとって危険すぎる作業を実行するという両国の取り組みを再確認した。災害対応から山岳救助、海の探索に至るまで、この技術は産業全体に革命をもたらし、人々の命を救う可能性を秘めている。

両国の革新的な企業が直面する障壁の打破を手助けすることで、英国と日本の人工知能・データサイエンスの中核拠点(Alan Turing Instituteが主導する)は合法的・倫理的に、かつ安全に大量のデータを活用することに関する解決策を共有することになる。

英国と日本はまた、クリーンエネルギー・イノベーションを加速させるためのベストプラクティスについて協力する。このイニシアチブは、低炭素水素経済を可能にすることに焦点を当てており、輸送から暖房に至る業界全体に革命をもたらし、よりクリーンで環境に優しい景観を作り出す可能性を秘めている。これは、炭素の回収、利用、貯蔵における英国の強みと水素技術における日本のリーダーシップを基盤としている。

英国の新産業戦略と日本の Society 5.0(日本が提唱する、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、新たな未来社会(Society)のコンセプト)を通じて、英国と日本は経済的な連携強化を約束し、高齢化社会、人工知能(AI)とデータ、クリーンな成長、さらには未来の輸送手段という共通の主要課題に取り組む。

[DW編集局]