[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2019/01/22
抄訳記事公開日:
2019/03/26

上下両院が政府機関閉鎖解除にむけ、オムニバス予算法案を公表

House, Senate Unveil Omnibus Proposals to End Shutdown

本文:

1月22日付、米国科学振興協会(AAAS)による標記記事の概要は次のとおりである。

政府閉鎖が2か月目に突入する。上院予算委員会は政府機関の再開に必要な7機関の予算を含むパッケージ(オムニバス法案)を公表した。これには米国立科学財団(NSF)、米国航空宇宙局(NASA)、農務省、その他、現在閉鎖中の機関の一年を通しての予算も含まれている。科学のファンディング機関に関しては、上院の予算は下院民主党の予算委員会が先週末に公表したものと同様である。この最終予算は下院と上院予算委員会により昨秋、大部分が交渉されたものであるから、サプライズはない。両案とも今週議会で投票される見込みである。

総じて、殆どの科学機関の予算は良好である。下記にあるように、いくつかの機関では2019会計年度の残りの期間、適度な増加がみられる。例えば、NSFの予算額は80億ドルを超え、農務省の競争的補助金は3.8%の増加となりそうである。他のプログラムもホワイトハウスが推奨した予算削減から免れそうである。これらの増加は、昨秋の国立衛生研究所(NIH)、防衛、エネルギー研究予算の大幅増に続くものである。

上記は良好な展開であるが、警告もある。下院の予算案は国土安全保障省(DHS)の予算案を排除している一方、上院の予算案は現政権が押している移民政策上の国境警備を含んでおり、これは、政府閉鎖論議の中心である。このような措置はすでに民主党により素早く拒否されており、下院のジェームズ・クライバーン院内総務は、交渉は何週間も続くと予想している。

要は、閉鎖された科学機関の多くは予算増の見込みであるが、国境警備に関するファンディングはなんとも言えず、近いうちに予算案が可決する可能性は低い。

AAASの推計では、オムニバスの研究予算総額はおよそ850億ドルで過去最高となる。基礎研究は4.6%の増加となり、応用研究は1.7%増の見込み。研究費のGDP比は僅かに落ちて、0.41%になるだろう。

現在のAAASの推計では基礎研究に対する予算は約5%増加し、NIH、DOE科学局、NSF、NASA科学局、国防総省での基礎研究を議会が強く支援した結果である。応用研究の予算は基礎研究に比べあまり伸びず、米国地質調査所(USGS)やDOEの各技術プログラムといった比較的大きな応用研究支援機関での増加が小さかった。国防総省の大型応用研究プログラムも、開発研究に比べあまり増加しなかった。以下は各機関のまとめである。

  • 米国立科学財団(NSF): 2018年度比で3億800万ドル(4%)増加;3隻の研究調査船と大型シノプティク・サーベイ望遠鏡建設が可能;教育局は0.9%増加
  • 米国航空宇宙局(NASA): 2018年度比で7億6,400万ドル(3.7%)増加;科学ミッション局は11%の増加;惑星科学プログラムは23.8%もの増加;教育局は10%増加
  • 海洋大気局(NOAA): 2018年度と同等のレベル;高等海洋研究所プログラムは廃止を免れ、300万ドルの若干の増加
  • 国立標準技術研究所(NIST): 2018年度と同等のレベル
  • 農務省(USDA): 2018年度比省内予算で農業研究サービスは8.5%増加、施設設備に3億8,100万ドル投入;省外予算では食糧農業研究所は4.5%増加、農業食糧研究イニシアチブは3.8%の増加
  • 環境保護庁(EPA):2018年度と同等のレベルで81億ドル;現政権による人員削減案は却下
  • 米国地質調査所(USGS): 2018年度比1.1%の微増

[DW編集局+JSTワシントン事務所]