[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2019/01/28
抄訳記事公開日:
2019/03/28

新しい都市データベースを公開

New Urban Centres Database sets new standards for information on cities at global scale

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2019年1月28日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===
欧州委員会共同研究センター(JRC)の新しい都市データベースが、世界の10,000を超える都市について新たなオープンデータを提供する。

データ分析の結果、世界の各都市および各地域における非常に多様な開発パターンと不均衡さが明らかになった。

グローバル・ヒューマン・セトルメント・レイヤー(Global Human Settlement Layer:GHSL)をもとに構築された新しいデータベースは、都市の位置や規模のほか、緑地の多さや夜間の照明、人口、自然災害の危険がある市街地、首都までの移動時間といった特色について、これまで以上に詳細な情報を提供する。

データベースでは、これら属性の一部に関して、古いものでは1975年から長期にわたり記録されてきた情報も含まれている。

一貫したデータの欠如や、データが大都市に限られていたことを反映し、今回の新しい都市データベースでは、世界の全ての人間定住地を統一された方法で把握し、分類し、数えることが可能になった。

JRCの研究者によると、世界の人口の約75%が都市や街、郊外に居住しており、こうした地域の多くは、家屋やそこに居住する人々とともに、自然災害の被害を受ける可能性がある。

都市中心部の大半は、農地として使用も可能な土地に拡大しており、このことが土壌資源という点からも課題となっている。

この新しいデータベースはまた、世界で緑化が進んでいる都市や大気汚染(PM2.5濃度)が健康を害するレベルとなっている都市、1995年から2015年までの間に夜間の照明が増加した都市などもワンクリックで確認することができる。

さらにデータベースは、世界の都市で総体的に緑化が進んでいるものの、大気汚染に対する低所得国と高所得国の取り組みが大きく異なることを示している。

今回の新・都市データベースは、国連の持続可能な開発目標、ニューアーバンアジェンダおよび仙台防災枠組の状況把握を支援するための新たなオープンデータを提供することになるだろう。

[JSTパリ事務所]