[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2019/01/31
抄訳記事公開日:
2019/03/28

DARPAが人と機械の信頼できる連携構築のためのCAMLプログラムを発表

Building Trusted Human-Machine Partnerships

本文:

2019年1月31日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

スポーツ、ビジネス、軍事を問わず、優秀なチームにおける重要な要素は信頼である。その一部は、チームメンバーの与えられた役割を果たす能力についての相互理解に基づいている。人と自律システムが有能なチームを結成するということにおいて、人が動的に変化する環境下で自律システムを信頼するためには、それらのスキル、経験と信頼性についてタイムリーで正確な洞察を必要とする。現在の自律システムは、天候や日照などの状況変化によりシステム能力が変動するような場合は、リアルタイムのフィードバックを提供することができない。機械が自分の能力を認識しておらず、それを人間のパートナーに伝達できないとすると、信頼が低下し、チームの能力が損なわれる。

機械を単純な道具から信頼できるパートナーへ変換することを支援するため、DARPAは、コンピテンシー認識機械学習(Competency-Aware Machine Learning (CAML))プログラムを発表した。CAMLは、スピードが重視される動的な状況下で自身のパフォーマンスを継続的に評価し、その情報をわかりやすい形式で人間のチームメンバーに伝達する機械学習システムを開発することを目的としている。

DARPAのプログラムマネージャであるZhou氏は、自律走行車技術を含む簡単な例を利用して、2台の自動運転車のうちどちらが雨の夜における運転に適しているかを判断しようとしているライダーにとって、CAML技術がいかに有益であるかを説明した。最初の車は、雨の夜に90%の精度で人と無生物を区別できていることを、そしてそのタスクを1,000回以上完了したことを伝える。一方2台目の車は、雨の夜に99%の精度で人と無生物を区別できるが、そのタスクを100回も実行していないことを伝える。これらの情報を備えているので、ライダーはどの車両を使用すべきかについて十分な情報に基づいた決定を下すことができる。

CAMLプログラムは、機械学習、人工知能、パターン認識、知識表現・推論、自律システムモデリング、ヒューマン・マシーン・インターフェイス、コグニティブ・コンピューティング等の専門家を求めている。また、革新的な提案コンセプトを幅広く求めるため、中小企業、学術・研究機関、これまで政府との契約の経験がない企業等、新たな提案者の応募を推奨している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]