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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2019/02/14
- 抄訳記事公開日:
- 2019/04/10
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技術的・社会的発展に伴うチャンスとリスクを評価するための18のプロジェクト
- 本文:
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BMBFは18の委託プロジェクトにより新たな技術的、社会的な発展にともなうチャンスとリスクを調査研究することとなり、概略下記のような報道発表を行った。
人工知能、学習アルゴリズム、バーチャル・リアリティ等の技術は、間もなく我々の日常に欠かせないものになるだろう。技術的な未来のレールは敷かれている、しかし新たな技術がもたらすチャンスとリスクをどのように正しく評価するのか。多くの問題が未解決である。人工知能は自己の意識まで持つようになるのか。デジタル・プラットフォーム・システムは社会の連携を強くするのか、あるいは分裂(desintegration)を進めるものなのか。私的領域と公的領域の境界がぼやけてくるとどのような帰結となるのか。
これらの疑問を含めて、今年度のITAFORUMの枠組みの中で議論される。年初からBMBFがイノベーション・技術分析(ITA)で助成してきたプロジェクトが初めて一般に発表される。アカデミア、政界、経済界、社会の代表が、彼らの研究課題や研究の方法について議論する。ITAFORUM 2019は2年間のファンデイング期間の幕開けとなるもので、その目標は、政治的判断に関する重要な基盤を提示することにある。
ルフト(Christian Luft)BMBF事務次官は会議に当たり「BMBFは戦略的な先見性を持って、未来志向の、持続的で、科学的根拠に基づく政策に寄与していく。今年度のITAFORUMで発表される研究プロジェクトは、現代の重要課題に共同で取り組み、未来を形成するために、知識をどのように利用できるのか、を明確に示すものである」と語った。
全プロジェクトはITA審議会によって監督され、研究の科学的な質が確保される。13人のメンバーからなる審議会の委員長は、カールスルーエ工科大学の「情報経済社会」領域のトップで、技術アセスメントの教授を務めるデッカー(Michael Decker)教授で、ITAFORUMの開始にあたり「イノベーション・技術分析に関する研究プロジェクトは、社会的に望ましいイノベーションプロセスを形成するという特別なビジョンを持つ。これは概念的に要求が厳しいものであるが、研究政策に関する行動オプションを開発するためには、将来の社会技術的な変化を考慮しなければならない」と語っている。
イノベーション・技術分析に関して:
BMBFのITA(イノベーション・技術分析)はチャンスとリスクの観点から社会的に有用な、新しい、分野横断的なテーマを分析し、評価するものである。その際、将来の発展に関する多様な次元を把握することに務める。どのような社会的、倫理的な議論を行わなければならないのか。リスクを最小限にするために、どのような法律的課題が存在し、どのような障害を除去しなければならないのか。ITAは技術的可能性、社会的な価値、経済的要件のせめぎ合いの中で問題を調査することになる。これは非常に複雑なテーマであり、学際的な研究プロジェクトとして取り組むことになる。それには科学者だけではなく、一般市民も参加する。こうして研究および決定プロセスはより再現可能なもの、より透明性をもったものとなって、人々の参加が促進される。経済にとってもITAによって得られた知見は、研究、開発、生産、そして革新的で使い易い製品やサービスの導入に関する価値ある情報をもたらす。
18のプロジェクトは次の6つのテーマに分類される。
- テーマ分野1:人工知能およびバーチャル・リアリティ
- テーマ分野2:デジタル・プラットフォーム・システム
- テーマ分野3:文化的多様性
- テーマ分野4:パーティシペーション能力
- テーマ分野5:イノベーションプロセスのガバナンス
- テーマ分野6:テーマ・オープン
[DW編集局]