[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2019/02/11
抄訳記事公開日:
2019/04/11

ブロックチェーン・ベースの技術が世界中の送金にもたらす影響

How blockchain-based technology has the potential to disrupt remittances worldwide

本文:

2月11日付、欧州委員会共同研究センター(JRC)による標記記事の概要は次のとおりである。

毎年およそ5,000億ドルのお金が発展途上国に送金されている。これは、全世界の政府開発援助の約3倍の金額である。

過去10年間で、開発途上国への送金は51%増加し、推定8億人を直接支援しているが、現在の送金手数料は平均7.1%であり、国連の持続可能開発目標取引コスト(3%)の倍以上である。

ブロックチェーン・ベースの技術は送金処理を早く、安く、便利にし、さらに現在送金が難しい地域(特に東南アジアやアフリカ)にも届けることができる。世界経済フォーラムの最近の調査によれば、多くの銀行はブロックチェーン・ベースのシステムをここ2-3年のうちに少なくとも幾つかのケースに適用することが分かった。それにより、2022年からは年に150-200億ドルの節約となる。

しかし、完全に送金方法を一変させることはまだ実現していない。送る側と受け取る側の国の法規制の枠組み調和が必要であり、また特にマネーロンダリングやテロへの融資を除去しようとする国内と国際の規制において一致していないからである。その上、世界中の政府や規制者はブロックチェーンや関連する暗号資産の問題解決策に合意していない。

共同研究センター(JRC)の新しい報告書では、国際送金業界で分散台帳技術を急速に展開した場合の利益、リスク、問題の可能性と、規制者がどのように対処すべきか、イノベーションを抑制せずに良い結果をもたらすにはどうしたらよいか、を取り上げている。

この報告書は初めてブロックチェーン技術と移民の送金について総合的に研究したもので、今後、他の視点からもこの問題について考察する手掛かりとなる。

 [JSTパリ事務所]