[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2019/02/04
抄訳記事公開日:
2019/04/11

政府が医療産業・技術業界との戦略協定を締結

Signature du Contrat stratégique de la filière Industries et Technologies de Santé

本文:

2019年2月4日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

政府の関係各大臣と戦略委員会(CSF)委員長はこのほど、医療産業・技術業界との戦略協定に調印した。

フランスには、医療産業・技術業界に3,100社の企業があり、これらの企業の雇用者数は現在約45万5000人(直接・間接を含む)となっており、約900億ユーロの収益を生み出し、そのうち356億ユーロは輸出によるものである。

全国産業委員会(CNI)の指示に従って、戦略委員会(CSF)の作業では4つのテーマに焦点を当てた。企業のデジタル化、イノベーション、人材育成と能力開発、国際対応である。このような展望の下に、CSFは次の4つの主要プロジェクトを特定した。

  • バイオ生産
    今後10年以内に生体分子の生産技術の生産性を100倍にし、これらの破壊的な技術を国内で工業化することで、フランスの製薬業界の強化を目指す。
  • 医療産業向けの人工知能
    特に精密医療。これは、(癌と炎症性疾患における最初の取り組みを行う)世界規模のエコシステムである「Health Data Hub」を中心に構築することを考えている。
  • 抗生物質耐性に関するプロジェクト
    耐性のある病原体対策において、フランスが欧州における象徴となることを目的とする。
  • 国際的な軸の展開
    医療製品向けの完全かつ統合的なソリューションの提供という点で、国際的にフランスの立ち位置の強化を促進する。

上記のテーマは、人材育成と能力開発に焦点を当てた、2つの横断的施策の支援を受ける。一方で中小企業の発展支援もさらに強化される。業界協定の調印と併せて、”Innobio2″投資基金が立ち上げられた。この基金は、初期資金 1億3,500万ユーロで、主としてフランス公共投資銀行(Bpifrance)およびサノフィ(Sanofi)社の2社によって資金提供され、さらにベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)社、イプセン(Ipsen)社、セルヴィエ(Servier)社、武田薬品工業も支援する。基金はバイオ医薬品、バイオプロセス開発、診断、医療機器の業界に投資する。投資範囲は、処方薬との強い関連性を持つデジタル・ヘルスにも拡大される。

[DW編集局+JSTパリ事務所]